「エネルギーを手から出してドロー」——これだけで環境最上位に立てる特性がある
ポケカの歴史を振り返ってみると、エネルギー加速できるポケモンはたくさんいた。でもそのほとんどは「ワザとして使う」か「特定の条件が必要」というものが多かった。
オーガポンみどりのめんexの特性「みどりのまい」は違う。
自分の番に1回使える。自分の手札から基本草エネルギーを1枚選び、このポケモンにつける。その後、自分の山札を1枚引く。
手札から草エネルギーを出して、1枚引く。たったこれだけ。コストなし、条件なし、毎ターン使える。
「それだけで強いの?」と思うかもしれない。でもこのポケモンを3〜4体ベンチに並べれば、1ターンに3〜4枚の草エネルギーを場に蓄積しながら同じ枚数だけドローできる計算になる。しかも手貼りの枠は別にある。合計4〜5枚のエネルギーが1ターンで場に供給されるデッキが生まれる。
特性「みどりのまい」で場にエネルギーを溜めてタケルライコexのワザ「きょくらいごう」のエネルギーコストを作る。場にオーガポンexを出せば出すほどエネルギーを場に供給することができるため、「きょくらいごう」の倍率の相乗効果によりダメージ最大値は環境の中でもダントツで1番だ。
「みどりのまい」という一つの特性が、ポケモンカードの歴史においてトップクラスのダメージを生み出すデッキを作り上げた。それがオーガポン草の正体だ。
このカードの本当の使い方——「主役」ではなく「エンジン」
一点、最初に整理しておきたい。
オーガポンみどりのめんexは自身がメインアタッカーになるカードではない。ほとんどの場合、「みどりのまいで盤面にエネルギーを供給して、別のポケモンが攻撃する」という設計で使われる。
多くのデッキに特性「みどりのまい」目的で採用される。盤面に草エネルギーを溜めることで、その草エネルギーを何かしらの方法で別のポケモンが活用するというのがオーガポンみどりのめんexの使い方だ。ワザ「まんようしぐれ」はほとんどオマケに近いワザで、現状みどりのめんexは特性「みどりのまい」に価値を全振りしたカードといえる。
「自分がエネルギーを溜める→他のポケモンが使う」という構造を理解してから使うと、このカードの動かし方がぐっとクリアになる。アタッカーを誰にするかによってデッキの性格がガラッと変わる汎用性の高さも、このカードの面白いところだ。
代表的な組み合わせ——タケルライコexとの「ライコポン」
現在最も使われている形が、タケルライコexと組み合わせた「ライコポン」と呼ばれるデッキタイプだ。
エネルギー1枚につき70ダメージを与えるタケルライコexと手札を減らさずに盤面に草エネルギーを供給できるオーガポンみどりのめんexを組み合わせたデッキだ。たねポケモンしか入っていないリストがほとんどなので進化を気にせず序盤からどんどん攻撃できるのが魅力だ。
タケルライコexのワザ「きょくらいごう」は場の基本エネルギーをトラッシュした枚数×70ダメージ。オーガポンが3体いて毎ターン3枚の草エネルギーを供給し続ければ、手貼りを含めて4〜5枚のエネルギーをトラッシュできる。つまり280〜350ダメージ。環境最大のダメージラインが後攻1ターン目から現実になる。
後攻1ターン目から場に4枚以上エネルギーを展開できるため、初手から280ダメージを叩き出すことが可能だ。この高火力により、ミライドンex・パオジアンex・ルギアVなどの主要ポケモンをいきなり倒すことができる。
デッキの核心——ヨルノズクとの連携
以前はポケストップなどのグッズでデッキを回していたが、レギュレーション変更後の現在のライコポンはヨルノズクラインを軸にした構成が主流になっている。
オーガポンみどりのめんexがテラスタルであることを活かして、ヨルノズクも採用される。「ほうせきさがし」でオーリム博士の気迫をはじめ状況に合わせたトレーナーカードをサーチすることができるため、レギュレーション変更前とは打って変わって器用なデッキになっている。
ヨルノズクの特性「ほうせきさがし」はテラスタルポケモンが場にいれば使える確定サーチ特性で、デッキから好きなトレーナーズを2枚手札に加えられる。オーガポンみどりのめんexがテラスタルポケモンであるため、この特性の発動条件を自然に満たせる。
流れを整理するとこうなる。
- オーガポンみどりのめんexをベンチに出す(テラスタル条件達成)
- ヨルノズクの「ほうせきさがし」を起動して必要なカードを2枚サーチ
- みどりのまいで草エネルギーをオーガポンにつけながら1枚ドロー
- オーリム博士の気迫でエネルギーをタケルライコexに追加加速+3枚ドロー
このサイクルが回り始めると、手札は枯れず、盤面にエネルギーはじわじわ積まれ続け、タケルライコexの打点が毎ターン上がっていく。
試合の流れ——1ターン目から組み立てる
先攻1ターン目
1ターン目にスピンロトムからメタモン・ホーホー・ヨルノズクのような組み合わせでサーチして次のターン以降の動きを準備しておこう。ヨルノズクの特性「ほうせきさがし」は場にテラスタルがいないと使えないので、メタモンなどを使ってオーガポンみどりのめんexを場に出しておくのも忘れずに。
先攻1ターン目の優先順位はこうなる。オーガポンみどりのめんexをベンチに出してテラスタル条件を作る。ホーホーをベンチに出してヨルノズクへの進化ラインを確保する。大地の器で草エネルギーと雷または闘エネルギーを手元に持ってくる。そしてみどりのまいを使って草エネルギーをオーガポンにつけながらドロー。
この動きが1ターン目に完結していれば、次のターンからの展開がスムーズに流れ始める。
草エネルギーと雷または闘エネルギーを持ってくることでオーガポンみどりのめんexの「みどりのまい」を使用でき、アタッカーに手貼りも可能だ。また、アタッカーにエネルギーが足りない場合、盤面のエネルギーを動かすことでエネルギー供給が可能だ。
後攻1ターン目——即ファイトの条件
タケルライコexはオーリム博士の気迫+手張りだけでワザを出せるので、最速で後攻1ターン目からサイドを2枚取ることができる。序盤につけたサイド差を維持してそのまま勝利するのがこのデッキの黄金パターンだ。
後攻なら1ターン目からオーリム博士の気迫が使える。手貼りと合わせてタケルライコexに3〜4枚のエネルギーを貼れれば、即ワザ宣言可能。後攻1ターン目でHP220前後のたねexを倒してサイドを2枚取り、そのまま走り切るのがこのデッキの理想展開だ。
みどりのまいを最大化するための「枚数管理」
このデッキで最も地味で、最も実力差が出るのが「みどりのまいを何体分回せるか」の管理だ。
エネルギーを分散させすぎても意味が薄いため、どうしてもドローに結びつけたいといった場合を除き場に出すのは3体までで十分だ。4体目を出しても「まんようしぐれ」が言えないオーガポンが量産されてしまうためほとんど役に立たない。逆に場にオーガポンが3体いない場合は不安になる。
3体。この数字を頭に入れておくといい。みどりのまいを毎ターン3回使いながら、その都度1枚ずつドローして手札を維持する。オーガポンが1体倒されたら即補充して3体体制を維持する意識が、このデッキの安定感を底上げする。
まんようしぐれの打点アップは草エネルギーである必要がないため、1体に草エネルギーを集中させるのではなく3体のオーガポンにそれぞれ4-3-3くらいになるよう分散してつけていく。次の相手のターンが終わったときに盤面にエネルギーが6枚以上残る状態を目安に攻撃するといい。
エネルギーを1体に固めると、そのオーガポンが倒されたときに一気にエネルギーを失う。3体に分散して貼ることで、1体倒されてもダメージが軽減される。
手札干渉への強さと弱さ——これがこのデッキの本質
ライコポンが長く環境に残り続けている理由のひとつが「手札干渉への耐性が意外と高い」という点だ。
タケルライコexデッキはドローする効果を持ったカードが多く、デッキを回しやすい。オーガポンみどりのめんexの特性「みどりのまい」はドローできる効果も付いているため、基本的に手札は減らない。
ナンジャモを打たれて手札が2〜3枚になっても、ベンチにオーガポンが3体いれば1ターンで3枚のエネルギーが場に補充されてドローも3枚。加えてヨルノズクの確定サーチがある。かなり手札が細くなっても次のターンには動ける体制が整う。
ただし、手札干渉への弱点が全くないわけではない。
オーガポンタケルライコデッキは手札のエネルギーをオーガポンみどりのめんexの特性でつけるデッキなので、手札干渉のカードに弱い。終盤にナンジャモを使われると手札の枚数が減ってしまい、オーガポンの特性で場にエネルギーが増やせずタケルライコexのワザもダメージが上がらなくなってしまう。
手札に草エネルギーが残っていることが前提だ。ナンジャモを打たれたとき草エネルギーが1枚も手元にないと、みどりのまいが使えない。そのターンはエネルギー供給がほぼ止まる。「手札に常に草エネルギーが1〜2枚残っている状態を維持する」という意識が、終盤の安定感につながる。
失敗談——「オーガポンを倒されて詰んだ」という痛い記憶
使い込んでいた頃に実際にあった話だ。
ロストバレットとの対戦で、序盤はみどりのまい3回+手貼りで毎ターン快調にエネルギーを積んでいた。タケルライコexで280ダメージを連発してリードしていたが、相手が途中からボスの指令でオーガポンを連続して倒してきた。
3体並べていたオーガポンが2体倒される頃には、毎ターンのエネルギー供給が3枚から1枚に激減していた。エネルギーが場に残らなくなり、タケルライコexのダメージが140まで下がった。それでは相手のポケモンが倒せない。
ずるずると試合が伸び、最終的に負けた。
オーガポンみどりのめんexが減ってしまうと、タケルライコexの最大ダメージも下がってしまう点に注意しよう。
この失敗から学んだのは「オーガポンを守る意識」と「エネルギーが足りなくなったときの代替プランを持つ」という二点だ。ボスの指令でオーガポンを狙ってくる相手に対しては、オーガポンの補充札(すごいつりざおや夜のタンカ)を手元に確保しておくことが重要になる。
弱点——ベンチ狙撃とオーガポン除去
タケルライコexとオーガポンみどりのめんexを並べなくてはならない都合上、サイドを2枚取られるポケモンが並びやすいデッキだ。サイドを2枚ずつ取られてしまう点はこのデッキの明確な弱点だ。
たねexばかりなのでサイドを2枚ずつ取られるリスクが常にある。どこかのタイミングで非ルールのタケルライコ(非ex)やスピンロトムを使って相手に1枚しか取られないターンを作ることが、サイドレースの詰め方として有効だ。
このデッキはホーホーやスピンロトムといったHPの低いたねポケモンが並ぶため、ベンチ狙撃に非常に脆い。
ドラパルトexのファントムダイブでベンチのオーガポンとホーホーを複数体同時にやられるとデッキが機能不全になる。ドラパルト対面では「ベンチに出す枚数を絞る」か「マナフィを採用する」などの対策が必要だ。
エネルギーカードの枚数設計——案外見落としがちなポイント
「オーリム博士の気迫は引けてるけどトラッシュにエネルギーがない!」という状況はよくある。手札のエネルギーをトラッシュできるイキリンコexや大地の器・ハイパーボールは多めに採用しよう。
オーリム博士の気迫はトラッシュのエネルギーを加速するサポートなので、トラッシュにエネルギーがない状態では使えない。みどりのまいで手からエネルギーを出し続けている設計上、手札にエネルギーが豊富にあるが、一方でトラッシュには落ちにくいという逆説的な状況が生まれる。
だからこそ大地の器のようなエネルギーをトラッシュしながらサーチできるカードや、ハイパーボールのような手札コストとして使えるカードが重要になる。「みどりのまいのコストとしてだけエネルギーを使う」ではなく「トラッシュにもエネルギーを送り続ける」という二面的な管理が必要だ。
オーガポンみどりのめんexデッキを使いこなすポイント
最優先の意識:みどりのまいを毎ターン3回使い続けること。そのためにオーガポンを3体維持する。倒されたら即補充。
ヨルノズク連携:オーガポンをベンチに出してテラスタル条件を作り、ヨルノズクの確定サーチを毎ターン活かす。オーリム博士の気迫をサーチして安定したエネ加速を確保する。
エネルギー管理:手札に草エネルギーを残しつつ、トラッシュにもエネルギーを供給できる体制を維持する。大地の器やハイパーボールでトラッシュへの経路を絶やさない。
サイドプランの工夫:たねexばかりで2枚ずつ取られるリスクを、非ルールポケモンを挟むことで1ターン無駄にさせる。
シンプルな特性に見えて、扱い込むほど味の出るカードだ。「タケルライコex」デッキの採用からはじまり、過去には「レジドラゴVSTAR」デッキの採用、今では「リーリエのピッピex」デッキに採用され大活躍している。
これほど長く、これほど多くのデッキを渡り歩いてきた特性カードは珍しい。今後も新しい相棒が現れるたびに形を変えながら環境に残り続けるだろうと思う。みどりのまいの可能性は、まだ終わっていない。

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