チオンジェンexというポケモンの本質を知る
草タイプの非ルールポケモンが並ぶ環境で、チオンジェンexという存在は少し異質だ。HP230と高水準の耐久を持ちながら、ワザを撃つのに大量のエネルギーを要求してくる。一見すると扱いにくい印象を受けるが、そのエネルギー要求量ごと解決してしまうギミックが存在する。フォレトスexの特性「ばくれつエナジー」がそれだ。
このデッキを初めて手に取る人のほとんどは、チオンジェンexの攻撃力に惹かれてデッキを組もうとする。ところが実際に動かし始めると、エネルギーが間に合わない、サイドをどんどん取られる、手札が細くなる……という問題に直面する。
焦らなくていい。それはこのデッキが「わざと不利な状況を作り出してから逆転する」という設計になっているからだ。その構造をきちんと理解することが、チオンジェンexを使いこなす最初の一歩になる。
デッキのコアにある2つのワザ
フォレストバーンで序盤を制圧する
チオンジェンexのワザ「フォレストバーン」は220ダメージを出すことができるので、先攻2ターン目にフォレストバーンを使えば大体のポケモンを一撃で倒せる。
このワザの強みは序盤にある。相手がまだ盤面を整えきっていないタイミングで220というダメージを押しつけると、対戦相手の計画が一気に狂う。ただし4エネルギーが必要で、素直に手貼りしていては間に合わない。ここでフォレトスexが動く。
むさぼるつたで終盤を締める
ワザ「むさぼるつた」は、相手に取られたサイドの枚数×60ダメージが追加されるため、逆転をねらえる。
相手がサイドを4枚取った状態なら、ベンチへ240の追加ダメージが入る計算になる。ベンチポケモンしか攻撃できない制約があるため、あなぬけのヒモを使うことでバトル場のポケモンをベンチへ下げる必要がある。終盤に向けてヒモをどのタイミングで温存するかが、このワザを活かせるかどうかの分かれ目になる。
フォレトスexの役割を正確に把握する
ばくれつエナジーの仕組みと使い方
フォレトスexの特性「ばくれつエナジー」は自らを気絶させてサイドを2枚渡して、デッキの中から基本草エネルギーを5枚まで自分のポケモン好きなようにつける事ができる。
自分から2サイドを渡すというのは普通のデッキでは考えられない動きだが、チオンジェンexとの組み合わせでは意味が変わる。フォレトスexが気絶してサイドを2枚取られた状態になると、まけんきハチマキでワザのダメージに+30できる、ナンジャモを使い相手の手札に干渉できる、チオンジェンexのワザ「むさぼるつた」のダメージが+120される、リバーサルエネルギーの効果発動条件を満たせるという複数の恩恵が同時に発生する。
サイドを渡すことがデメリットではなく、それ自体がゲームプランの一部になっている。このデッキ固有の思考回路だ。
フォレトスexを使うタイミングの判断
フォレトスexの特性「ばくれつエナジー」を使うタイミングでチオンジェンが場に2体ほしいとされている。気絶後にチオンジェンexが1体しかいなければ、サイドを取られ続けてそのまま終わるリスクがある。特性を使う前に場の状況を確認し、次の動きが保証されているかを見極めてから撃つ。
ターン別の動き方
1ターン目にやること
1ターン目にクヌギダマを用意したいのが最優先になる。フォレトスexへの進化ルートを確保することが、このデッキの序盤の組み立てすべてに関わるからだ。同時にチオンジェンexも場に出しておきたい。ネストボールを4枚採用しているのは、1ターン目にクヌギダマを用意したいからで、他にもビッパやチオンジェンexなども用意したいためだ。
手札が事故気味のときは、手札がどうしようもないときに特性「イキリテイク」を使用して盤面を形成したい。イキリンコexをネストボールで呼べる点もこのデッキではありがたい。
2ターン目でフォレトスexを起動する
フォレトスexに進化し、ばくれつエナジーを発動してチオンジェンexにエネルギーをまとめて乗せる。フォレストバーンは220ダメージを出すことができるので、先攻2ターン目にフォレストバーンを使えば大体のポケモンを一撃で倒せる。そのためにもポケモンいれかえでチオンジェンexをバトル場に出したい。
進化とエネルギー加速を2ターン目にまとめて完結させることが理想で、そのためにクヌギダマを1ターン目に場へ出しておく意味がある。手順が1ターンでもずれると、相手の先行展開に対してテンポで劣ることになる。
中盤から終盤にかけての戦い方
フォレトスexが気絶した後は、ナンジャモで手札干渉をかけながらチオンジェンexで殴り続ける。フォレトスexの気絶でサイドを上げてしまうのでピンチにはなるのだが、サポート「ナンジャモ」を使用して相手の手札を減らす。スタジアム「頂への雪道」も同時に貼るとさらに相手の妨害ができる。
終盤にサイドが相手より多くなっている状況では、むさぼるつたの打点が跳ね上がる。そこへ向けてあなぬけのヒモを温存しておくか、使い切るかの判断が毎ターン発生する。この判断精度がゲームの勝敗を左右することが多い。
採用カードの考え方
勇気のおまもりでチオンジェンexを強化する
チオンジェンexに勇気のおまもりを貼ってHPを280まで伸ばして戦いたい。他にもたねポケモンであればHPが50上がるので、盤面をみて勇気のおまもりを貼ると攻撃に耐えることがあるならそのポケモンに貼るといい。
HPを280まで伸ばすと、多くのアタッカーが一撃で仕留めにくくなる。特に先攻2ターン目のフォレストバーンを通すためには、チオンジェンexがバトル場で少なくとも1ターン生き残る必要がある。おまもりはその保険として機能する。
ビーダルで手札を安定させる
ナンジャモを強く使いたかったので2-2ラインで採用した。他にも頂への雪道に引っかからないことや、基本草エネルギーがデッキから抜かれて綺麗になっていることが多いので、デッキの中の強いカードを引けると思っている。
中盤以降にデッキのエネルギーが少なくなった状態でビーダルを使うと、グッズやサポートが集まりやすくなる。この動きとナンジャモの手札干渉を合わせることで、相手の返しを狭めながら自分の動きを保つという両面が成立する。
マナフィをベンチに忍ばせる
相手がベンチ狙撃を持っている場合、クヌギダマや育て途中のチオンジェンexが狙われると展開が崩れる。マナフィを1枚置いておくだけでその線を消せるので、保険として忘れずに入れておきたい。
サイドプランの理想形を意識する
理想的なサイドプランはこうだ。フォレトス特性で気絶してサイドを渡し、チオンジェンexで取り返し、次のアタッカーで取り、最後にチオンジェンexでしめるという流れが組めると、ゲーム全体の道筋が見えてくる。
フォレトスexで2サイド渡した後、チオンジェンexとその後のアタッカーで残り6サイドを取りに行く計算になる。むさぼるつたは相手がサイドを多く取っているほど強くなるため、フォレトスexが消えた後にこのワザを使えると打点が自然に上がっている状態になる。
苦手な相手との向き合い方
ワンパンしてくる高火力デッキ
ギラティナVSTARのロストインパクトのダメージが280なので、フォレトスexや勇気のおまもりをつけたチオンジェンexを一撃で倒せる。さらにスターレクイエムを使えば、HPが290以上ある勇気のおまもりをつけたアローラナッシーVや、ガードプレスを使ったあとのフォレトスexも一撃で倒せる。
おまもり込みでも耐えられない火力が存在することを頭に入れておく必要がある。ロストギラティナに対しては、どちらのアタッカーが先に消えるかのサイドレースに持ち込まざるを得ない場面が出てくる。
ベンチへのダメカン系のデッキ
ヤミラミのロストマインはダメカンを直接相手に乗せる効果なので、ガードプレスのダメージを軽減させる効果を受けずに相手を攻撃できる。ロスト系統のデッキはベンチのクヌギダマやチオンジェンexを育て途中に狙ってくるため、マナフィだけで対処しきれない展開も起こる。序盤の展開速度で上回ることが、この対面では優先される。
特性ロック系のカード
フォレトスexの特性が止まると、エネルギー加速がそのターン機能しなくなる。相手はデッキの要である特性「ばくれつエナジー」を使用できないため、アローラナッシーVのワザ「のびのびそだつ」でしかエネルギーを加速できないという状況が発生する。頂への雪道を相手に張られる展開を想定して、ロストスイーパーなどのスタジアムを剥がす手段を必ずデッキに入れておくべきだ。
実際に使って感じた失敗と気づき
フォレトスexの特性を使うタイミングを完全に間違えた試合がある。
チオンジェンexがバトル場に1体しかいない状況でばくれつエナジーを撃ってしまい、エネルギーは5枚乗ったものの次のターンに2パンされてゲームが終わった。サイドを2枚渡した上にチオンジェンexまで失って、そこから逆転できるリソースは残っていなかった。
あの失敗で改めて思い知ったのは、このデッキが「準備が整ってからギミックを起動する」という設計になっているという点だ。チオンジェンexが2体場にいることを確認してからばくれつエナジーを使う、という当たり前の手順を、あせって飛ばしてしまった。
一方、うまくいった試合では、2匹の爆発で4枚サイドを取らせたところでナンジャモを使い、サポートが使えず先攻2回目の番で相手の手札を2枚にしながらチオンジェンexで狩り尽くすという流れが見事に決まった。相手の手が完全に止まった状態でむさぼるつたを連打できて、あのゲームの気持ちよさは格別だった。うまくいったときとそうでないときの差が、このデッキは特に大きい。
デッキ全体を通して意識すべきこと
チオンジェンexデッキで安定して勝ちを重ねるには、場の状態を常に「次の2手先」まで読む習慣が必要になる。
フォレトスexを今撃つか、もう1ターン待つか。あなぬけのヒモは今使うか、終盤のむさぼるつたに取っておくか。ナンジャモは相手の手が3枚以下になってから使うのか、今の盤面を荒らすために先に使うのか。
一つひとつの判断が積み重なって結果が出るデッキなので、試合後に「あの場面の選択は正しかったか」を振り返る癖をつけると、次の試合の精度が上がっていく。序盤は他のポケモンで戦うようにして、他のポケモンが戦っている間にチオンジェンexに草エネルギーをつけ、いつでも攻撃できる準備を整えておくというシンプルな原則を守りながら、場の変化に合わせて判断をアップデートし続けること——それがこのデッキを使いこなす感覚に近い。

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