ルギアVSTARって、なぜこんなに長く生き残れているんだろう
ポケモンカードの環境って、半年ごとにガラッと変わることが珍しくない。強かったデッキが急に見かけなくなったり、逆に新弾一枚の登場で一気に息を吹き返したり——そういうダイナミックな変化がこのゲームの面白さでもある。
そんな中で、ルギアVSTARデッキはずっと生き残り続けている。
チャンピオンズリーグでも何度も結果を残し、シティリーグでも上位に顔を出し続ける。なぜそんなに息が長いのか。それを理解したとき、このデッキの本当の怖さが見えてくる。
答えは「アタッカーをどんどん入れ替えられる」という構造的な強さにある。
ルギアVSTARデッキはアーケオスの半永久的なエネ供給によって様々なアタッカーを採用できるのが特徴のデッキだ。アーケオスさえ展開できればゲーム中ほぼエネルギーに困ることがなく、加速できるのが特殊エネルギーのため様々な効果の恩恵も受けられる。普通であれば要求エネ数が多くて使いにくいポケモンであっても簡単に動かせるため、環境に合わせて強力なアタッカーを使い分けられるというのも強みだ。
つまりルギアVSTARデッキは「ルギアが強い」というよりも「ルギアがエネルギーを供給する土台として機能していて、そこに刺さるアタッカーを差し込み続けられる」構造が強いわけだ。環境が変わっても、入れるアタッカーを変えれば対応できる。これが長期間にわたって結果を出し続けている本質的な理由だと、僕は思っている。
では実際に、どうやってこのデッキを動かせばいいのか。トレカをずっとやってきた経験も交えながら、細かく解説していこう。
デッキの核心カード3枚を理解する
ルギアVSTAR――このデッキの「起爆剤」
ルギアVSTARは一見するとアタッカーのように見えるが、このデッキにおける最大の役割はVSTARパワー「アッセンブルスター」の一発にある。
アッセンブルスターは、トラッシュからルールを持たない無色ポケモンを2匹までベンチに出せる非常に強力な特性で、この効果で特性「プライマルターボ」を持つアーケオスをベンチに2匹出せるのがルギアVSTARデッキ最大の強みだ。
VSTARパワーは対戦中に1回しか使えない。つまりこの「アッセンブルスター」の一撃で試合の流れが決まると言っても過言ではない。逆に言えば、アッセンブルスターを宣言する前の準備段階が、このデッキで最も重要なフェーズになる。
ワザの「ストームダイブ」も強力で、ワザ「ストームダイブ」は220ダメージ出せて、たねのexポケモンやVポケモンを一撃で倒せるダメージが出る。サブアタッカーとしても十分機能する。
アーケオス――このデッキの「エンジン」
アーケオスはバトルに出て攻撃するカードではない。ベンチに2体座って、ひたすらエネルギーを供給し続けるエンジン役だ。
アーケオスが場に2匹いると、毎ターン山札から合計4枚もの特殊エネルギーをデッキから付けられる破格のエネ加速性能がある。
毎ターン4枚のエネルギーを自由に貼れるというのは、普通のデッキでは考えられない数字だ。しかもただの基本エネルギーではなく「特殊エネルギー」なので、様々な効果をもたせることができる。この恩恵を毎ターン受け続けられる安定感が、相手からするとじわじわとプレッシャーになってくる。
チラチーノ――メインアタッカーとしての破壊力
現在のルギアVSTARデッキのメインアタッカーはチラチーノだ。ワザ「スペシャルころころ」はこのポケモンについている特殊エネルギーの枚数×70ダメージで、アーケオスの特性プライマルターボを活用すれば特殊エネルギーを容易に加速できるため高火力が出しやすく、リザードンexなどの2進化exポケモンを一撃で倒せるダメージを簡単に出せる。
特殊エネルギーが5枚ついていれば350ダメージ。ほとんどのポケモンは一撃で倒せる計算だ。アーケオス2体でターンごとに4枚供給できるため、チラチーノは2〜3ターンで最大打点に届く。
1ターン目――「アーケオスをトラッシュに送る」ことだけを考える
このデッキの1ターン目にやることは、シンプルにこれだけだ。
アーケオスを2枚、トラッシュに送る。
そのためにデッキに採用されているカードが、博士の研究・ハイパーボール・ルギアVのワザ「かぜよみ」などだ。
ルギアVのかぜよみやハイパーボールなど手札をトラッシュする効果が多く採用されていて、これらを使ってルギアVSTARを手札に加えながらアーケオスを2枚トラッシュに送るのが序盤の動きだ。
ここで覚えておいてほしいのは、アーケオスは「手札からトラッシュ」だということ。つまり手札にアーケオスを持ってくることが最初のステップになる。
最近の構築では「パーフェクトミキサー」が採用されることも多い。
パーフェクトミキサーを使うことで山札からアーケオスを直接2枚トラッシュできる。パーフェクトミキサーは「ペパー」から持ってこれるので、サイド落ちしない限り安定してアーケオスを2枚トラッシュできる。
この「ペパーからパーフェクトミキサーを持ってくる」という流れは、序盤の安定性を大きく上げる。ぜひ体に染み込ませてほしい動線だ。
また、「変幻の仮面」で登場したサポート「ゼイユ」もルギアデッキと相性がいい効果を持っている。先行1ターン目に使うことができ、手札のアーケオスを落としながらドローすることができる。ネオラントVでサーチすることで安定して先行から手札を回していける。
先行1ターン目でもゼイユを使えるのは地味に大きい。先攻の場合はゼイユを積極的に使ってアーケオスを落としつつドローを進め、2ターン目の準備を整えよう。
2ターン目――アッセンブルスターを確実に宣言する
1ターン目にアーケオスを2枚以上トラッシュできていれば、2ターン目の動きはシンプルだ。
- ルギアVをルギアVSTARに進化させる
- VSTARパワー「アッセンブルスター」を宣言してアーケオス2体をベンチに出す
- アーケオスの「プライマルターボ」を2回使ってアタッカーにエネルギーを4枚供給する
- その後アタッカーでワザを宣言
1ターン目の動きで優先したいのはルギアを出して2ターン目に絶対進化できるようにすることだ。できればルギアを2体出せると安全だが、先行であればまず倒されないので、ベンチにルギア1体+バトル場とベンチにチラーミィを置いておくのもありだ。
「絶対に進化できる状態を作る」という言葉が刺さる。アッセンブルスターは1回しか使えない。進化できなかった、なんてことが起きると取り返しがつかなくなる。だからこそ、ルギアVを2体用意する安全策が重要なのだ。
アタッカーの使い分け――これが本当の難しさ
ルギアVSTARデッキで「デッキが回るようになった」初心者が次にぶつかる壁がここだ。「どのアタッカーを育てるか」の判断が、プレイングの質に直結する。
チラチーノ:高耐久の2進化exデッキ相手が主戦場
チラチーノの特殊エネルギー×70ダメージは、リザードンexやドラパルトexのような高HPの2進化exポケモンを倒すために使う。2進化のexポケモンを主軸にした高耐久のデッキにはチラチーノを育てるのがおすすめだ。
ただし注意点がある。チラチーノはHP100と紙のように薄い。相手が「げっこうしゅりけん」や「ロストマイン」を使ってくる場合、チラチーノはこれらのワザで倒されやすくウィークポイントになってしまうため、チラチーノはあまり出さずルギアVSTARで攻撃していく選択肢も持っておきたい。
テツノカイナex:非エクのサイド追加取り
「テツノカイナex」はレガシーエネルギーと一緒にほとんどのルギアデッキで1枚採用されている。技「ごっつぁんプリファイ」で相手の非エクを倒しながらサイドを2枚とったり、イキリンコexやネオラントVを倒してサイドを3枚取ることができる。
これが刺さるシーンはわかりやすい。相手のベンチにイキリンコexやネオラントVが見えたとき、テツノカイナexでごっつぁんプリファイを宣言して一気にサイドを3枚取り切るプランを狙う。こういった「突然のゲームエンド」を生み出せる点がルギアデッキの恐ろしいところだ。
ルギアVSTAR自身:対ロスト・非exデッキ
ロスト系統や非exデッキならルギアVSTAR本体も使っていくのがおすすめだ。ルギアVSTAR自身のワザ「ストームダイブ」で220ダメージを出せるため、中型のポケモンを次々に倒していくスタイルに切り替えられる。
ガチグマアカツキex:反撃の一手
ルギアVSTARがライコウVなどに倒された場合、ガチグマアカツキexで反撃するプランも有効だ。HP取りに来た相手へのカウンターとして機能する。
やらかした失敗談——アーケオスを手札に持ち腐れたあの日
正直に話す。ルギアVSTARデッキを使い始めた頃、僕は何度も「アーケオスを手札に抱えたまま1ターン目を終えた」という失敗を繰り返した。
アーケオスを引けているのに、「もったいないから後でトラッシュしよう」「使う機会があるかもしれない」と頭のどこかで思って、ハイパーボールを打つタイミングを逃した。そして2ターン目、手札にアーケオスが2枚あるのにトラッシュには0枚という最悪の事態になった。
アッセンブルスターは「トラッシュから」しか出せない。手札にいくら持っていても意味がない。
ルギアVSTARの特性「アッセンブルスター」はトラッシュからしかアーケオスを出せない。
当たり前のことに見えるが、実際の対戦では焦りやプレッシャーで判断が鈍る。1ターン目に「アーケオスをトラッシュに送ること」を最優先事項として固定することが大切だ。他のカードは後からどうにでもなる。アーケオスのトラッシュだけは替えが効かない。
もう一つの失敗が「ゲノセクトを先行で出した」——あ、これはミュウの話だった。ルギアで同じような失敗は「バトル場のスタートポケモンを間違えた」こと。
最初はできるならテツノイバラをバトル場に出しておきたい。ルギアデッキは展開が遅くなりがちなので、相手も遅くすることで戦いやすくしようということだ。ルギアのアッセンブルスターを使うためにルギアVは1体出しておきたい。
テツノイバラをバトル場に出す理由は相手の展開も遅くするためだと後から知った。単純にルギアVをバトル場に出して何もできずにボコボコにされた経験は今でも忘れられない。スタートポケモンの選択一つで、試合の展開が大きく変わるのだと身に染みた。
苦手な相手との戦い方
テツノイバラex——このデッキ最大の天敵
テツノイバラexの特性「イニシャライズ」によって、ルギアVSTARの特性「アッセンブルスター」が封じられてしまう。これによりアーケオスを場に出せず、弱点まで突かれるため相性は最悪だ。
アッセンブルスターが封じられると、このデッキはまともに動けない。これは本当に頭が痛い相手だ。対策としては「クレッフィ」や「ハバタクカミ」で相手の特性を先に封じる、もしくはテツノイバラexを素早く倒してしまうしかない。
ただ実際のところ、テツノイバラ対面は割り切りが必要なことも多い。プレイングで覆せる範囲には限界がある。それよりも「テツノイバラに当たったときに最低限のプレイングミスをしない」ことに集中した方が結果に繋がりやすい。
ミライドン——雷タイプの猛攻
ルギアの苦手なデッキはミライドンだ。ミライドンはルギアの弱点である雷タイプのポケモンが多くあり、チラチーノもごっつぁんプリファイ圏内に入っているため不利だ。
ルギアは無色タイプなので雷弱点×2になる。ミライドン相手では打点を大きく取られてしまうため、チラチーノを前に出すのは逆効果になりやすい。こういった相手にはルギアVSTAR本体で殴り合う、あるいはガチグマアカツキexに切り替えるプランを頭の中に持っておこう。
ドラパルトex——ミストエネルギーが鍵
ルギアの得意なデッキはドラパルトだ。ミストエネルギーでダメカンばらまきを無効化できるので実質200ダメージの技にすることができ、ピジョットもごっつぁんプリファイで倒してサイドの追加取りが狙えるので有利だ。
「変幻の仮面」環境ではドラパルトexが環境を席巻していたことから、ルギアデッキでも対策カードが多く採用されるようになっている。HP70のチラーミィを採用することでドラパルトの技効果で倒されないようにし、ミストエネルギーを4枚フル採用しているリストが多い。
ドラパルト対面はミストエネルギーをしっかり貼り続けることが勝利の鍵だ。ミストエネルギーが1枚でも安定して確保できていれば、かなり有利に試合を進められる。
上級者が意識するテクニック
レガシーエネルギーの活用
「レガシーエネルギー」はすべてのタイプとして扱える特殊エネルギーというだけでもルギアデッキと非常に相性がよく、加えて技のダメージで気絶した時に取られるサイドが1枚少なくなるという効果もついている。レガシーエネルギーによって有色エネ1+無色エネ要求の技を持ったポケモンをアタッカーとして採用できるようになった。
このレガシーエネルギーの登場で、ルギアデッキの構築の幅が一気に広がった。オーガポンexやテツノカイナexが1枚のレガシーエネルギーで起動できるようになり、それまでのチラチーノ一本足打法から脱却できたのは大きな進化だ。
ギフトエネルギーで手札干渉を乗り越える
このデッキを支える陰の立役者として、ギフトエネルギーが挙げられる。逆にここを封じられてしまうと痛手なので、相手の「ボスの指令」などでギフトエネルギーのついたポケモンが避けられることも想定しておきたい。
相手のナンジャモやツツジで手札をリセットされた後でも、ギフトエネルギーがついているポケモンが倒されれば手札を補充できる。このカードがある限り、手札干渉系のデッキに対して完全に詰む場面は少ない。
ただし相手もそれを知っているので、ギフトエネルギーのついたポケモンを意図的に避けてくるプレイヤーも多い。そういった場合は「あえてギフト持ちのポケモンをバトル場に出して倒させに行く」というゲームを作ることも考えられる。
アッセンブルスター後の盤面管理
アッセンブルスターを宣言した後、大事なのはアーケオス2体を守り続けることだ。アーケオスが倒されてしまうと、毎ターンのエネ供給が激減する。
アーケオスの特性「プライマルターボ」でどのポケモンもワザを使うことができるため、環境デッキの中でコントロール系統の相手に対して戦いやすいのがルギアデッキを使う要因の一つといってもいいほどだ。
アーケオスさえ生きていれば何度でも立て直せる。それくらいプライマルターボの供給力は強力だ。だからこそ、相手の「ボスの指令」でアーケオスを狙われたときの対処法を考えておくことが大切になる。相手のボスの指令を見たら、次のターンの動きを先読みしてプレイしよう。
成功事例——アッセンブルスターが決まったあの瞬間の快感
これは僕が実際に経験したシティリーグでの話だ。
相手はリザードンexデッキ。先攻2ターン目にルギアVSTARに進化でき、アーケオスを2体ベンチに出した。その瞬間、相手が少し身を乗り出したのが見えた。「あ、決まった」とわかったのか、表情が変わった。
アーケオス2体から4枚の特殊エネルギーを供給してチラチーノを育て、3ターン目には特殊エネルギーが6枚ついた状態で「スペシャルころころ」を宣言。420ダメージでリザードンexを一撃で倒した。
その後も毎ターンエネルギーを貼り続けながら、相手が手札干渉を使ってきたところでギフトエネルギーが活きて手札を補充。最終的にテツノカイナexで相手のネオラントVを仕留めてサイドを3枚とり、試合を決めた。
このデッキのアッセンブルスターが決まった瞬間の「全てが噛み合った」感覚は、他のデッキにはない独特の充実感がある。まるでエンジンに火が入った瞬間のような、ぶわっとした高揚感だ。それを一度味わうと、ルギアVSTARデッキを使い続けたくなる理由がよくわかる。
まとめ
ルギアVSTARデッキの動かし方を整理するとこうなる。
1ターン目:アーケオスを2枚トラッシュに送ることを最優先に。ゼイユ・博士・ハイパーボール・パーフェクトミキサーを駆使してアーケオスをトラッシュへ。ルギアVは必ずベンチに出しておく。
2ターン目:ルギアVSTARに進化してアッセンブルスターを宣言。アーケオス2体を展開し、相手のデッキに合わせてアタッカーを育てる。
中盤以降:アーケオスを守りながらアタッカーを使い分ける。チラチーノ・テツノカイナex・ルギアVSTAR本体の三択を状況判断で切り替えていく。ギフトエネルギーで手札干渉にも対応する。
苦手対面のテツノイバラには割り切りを持ちながら最善を尽くし、ドラパルト対面はミストエネルギーで乗り越えることを意識する。
このデッキの面白さは「アッセンブルスターを決めるまでのドキドキ感」と「決まった後の怒涛の展開」のコントラストにある。序盤の緊張感と、エンジンが動き出したあとの解放感。この温度差がルギアVSTARデッキの最大の魅力だと、僕は思っている。
うまく動いたときの気持ちよさは格別だ。ぜひ実際に回しながら体感してほしい。

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