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カビゴンLOデッキ完全解説!相手の山札を削り切る異端のコントロール戦術


目次

「ポケカで勝つ方法は、サイドを6枚取ることだけではない」

長くポケカをやっていると、たまに対面で「あ、これはもう詰んでいる」と気づく瞬間がある。攻撃できないポケモンがバトル場に縛られて、手札に入れ替え札もなく、相手のカビゴンがどっしり座ったまま動かない。

それがカビゴンLOデッキの正体だ。

ポケモンカードには、サイドを取り切る以外にも勝利条件がある。

ポケカで勝敗が決する条件は3つある。先に自分のサイドを全て取り切って勝つ。自分の場にポケモンが1匹もいなくなって敗北する。自分の番の最初に山札からカードを引けず敗北する。「カビゴンLO」は3つ目の勝利条件である相手のデッキ切れを狙うデッキだ。

デッキ名のLOとはLibrary Out——山札切れの意味だ。相手のポケモンをきぜつさせるのではなく、相手の山札を0枚にして特殊勝利を狙う。攻撃しない。サイドを取らない。ひたすら待ちながら相手のリソースを削り続ける。

正攻法と正反対の戦術。ポケカ界の異端児、と言っても大げさではないかもしれない。


デッキの構造を最初に理解する

カビゴンLOデッキがやることを整理すると、思ったよりシンプルだ。

相手のリソースを削り続けて、最終的に相手がサイドを取れない盤面を作ることで勝ちを狙うデッキだ。基本的にはワザが使えないポケモンやワザのダメージが低いポケモンをバトル場で縛ることを目指す。

手順はこう。

  1. カビゴンをバトル場に置き、特性「とおせんぼ」で相手のポケモンを縛る
  2. 縛りながら野盗三姉妹・ビワで相手の手札やグッズを削る
  3. 入れ替え札を枯らしたところでボスの指令・カウンターキャッチャーを使い、さらに動きにくいポケモンをバトル場へ
  4. 相手が動けなくなれば、毎ターン1枚引き続ける相手の山札はいずれゼロになる

言葉にすると単純だが、実際の対戦では相手も必死に抵抗してくる。その抵抗をどう潰していくかが、このデッキの醍醐味であり難しさでもある。


核心カード——それぞれの役割を把握する

カビゴン:このデッキの「城門」

カビゴンの特性「とおせんぼ」で、ワザに必要なエネルギーが採用されないポケモン(例:水エネがないデッキのマナフィ等)、ワザに必要なエネルギーが多いポケモン(例:テツノカイナex・ミュウex等)、カビゴンを一撃で倒せないポケモン(例:ビーダル・かがやくゲッコウガ等)をバトル場に縛りつけて時間を稼ぐ。

HP150という数値も計算されていて、勇気のおまもりをつければHP200まで上昇する。勇気のおまもりを貼るとHP200まで上昇するHP150の非ルールのたねポケモンだ。大半の攻撃を1ターンは耐えられるため、倒されても次のカビゴンと交代しながらロックを維持し続けられる。

カビゴンを大量に採用している理由もここにある。一体倒されても二体目、三体目と継続して出し続けることで、相手は「入れ替え→攻撃→また入れ替え」という無限消耗戦を強いられる。

ミミッキュ:特性持ちexへの「無敵の壁」

特性「しんぴのまもり」でexやVからのワザのダメージを受けない。御守りカビゴンを一撃で倒せるのは大抵ポケモンexやVであり、そこに対して無敵になれる。逆にミミッキュを倒せるポケモンは御守りカビゴンを一撃で倒せないことが多いため、防御面の補完が良い。

カビゴンとミミッキュの防御役割がきれいに分担している。exやVのアタッカー相手にはミミッキュを、それ以外のポケモン相手にはカビゴンを使う。この使い分けがLOデッキの防御の根幹だ。

呼び出したポケモンがアタッカーじゃないポケモンならカビゴンを、exやVポケモンならミミッキュで対応しよう。

ビワ:相手の手の内を丸裸にする「諜報員」

ビワは相手の手札を確認できるだけでなく、相手の手札からグッズを2枚までトラッシュできる強力な効果を持つ。2進化デッキのふしぎなアメやロスト系デッキのミラージュゲートといった環境デッキのキーパーツをトラッシュできる。また捨てる際に相手の手札を全て確認できるので、次の相手ターンの動きが予測しやすく、エリカの招待を使うタイミングも計れるため序盤から積極的に使いたいカードだ。

「見えて・削れて・次を読める」という三つの機能が一枚に詰め込まれている。特に「次の相手の行動が読める」という情報優位は、このデッキの判断精度を大きく上げる。入れ替え札が手札に残っているかどうかを確認してから次の縛りポケモンを決める——この精度の高さが、慣れたプレイヤーと初心者の差として現れやすい。

野盗三姉妹:山札を削る「砂嵐」

野盗三姉妹などのカードを使用して、入れ替え系のグッズをトラッシュへ送っていく。他にもワザを使うために準備がかかりそうなポケモンをボスの指令やカウンターキャッチャーなどでバトル場に縛って、ターンを稼ぎ、野盗三姉妹やエリカの招待が使えるターンを増やす。

野盗三姉妹は相手の山札からグッズを好きなだけトラッシュできる強力な妨害サポートだ。使うたびに相手の山札が目に見えて減っていく。もちろん入れ替え系グッズが混じっていれば一緒に除去できるため、二つの役割を同時にこなせる。

ロトムV:デッキ回転の「エンジン」

カビゴンLOデッキでは、ワザを使うことが少ないのでロトムVと相性が抜群だ。ロトムVの特性「そくせきじゅうでん」は、山札から3枚引ける代わりに自分の番が終了するメリットとデメリットが大きい効果で、イーユイex以外はワザを使わない構築なのでデメリットを気にせず毎ターン特性を使ってドローができる。

「ターンが終了する」というデメリットが、このデッキでは実質無害になる。どうせワザを使わないのだから、毎ターン3枚引いてしまえばいい。手札をどんどん補充しながら野盗三姉妹・ビワ・カウンターキャッチャーなどの妨害カードを引き込んでいく。


実際の動かし方——「縛る」「削る」「待つ」の繰り返し

1ターン目:カビゴンを出してロック体制を整える

カビゴンをバトル場に出してスタートしよう。ミミッキュでスタートしてもいい。ロトムVを出して「そくせきじゅうでん」が出来れば完璧だ。

開幕はとにかくカビゴンをバトル場に置くことを優先する。カビゴンが場にいない状態では、このデッキは何もできない。ロトムVをベンチに出して特性でドローし、次のターンに使う妨害カードを手元に集めることが序盤のゴールだ。

壁役のカビゴンに勇気のおまもりをつけておくことも忘れずに。HP200になれば序盤の攻撃は大半耐えられる。

中盤:相手の入れ替え手段を枯らしていく

壁となっているポケモンに「ハンディサーキュレーター」をつけておこう。ビワで相手の手札を確認しつつグッズも削れたらOKだ。相手の手札に入れ替え札がなければ、カウンターキャッチャー等で相手のポケモンを呼び出そう。

中盤の目標は「相手が逃げられない状態を作ること」だ。

入れ替え系カードは野盗三姉妹・ビワで削る。相手が動けるポケモンしかバトル場にいなければ、カウンターキャッチャーやボスの指令で「動けないポケモン」を引きずり出す。

カビゴンを場に出し続けることがまず重要で、相手のリソースが尽きるまでは相手もワザを使い続けられるため、カビゴンを場に出しながらやることは相手のリソースを削ることだ。大きく3つの行動に分類できる。ワザが使えないポケモンやワザのダメージが低いポケモンをバトル場に呼ぶことが重要だ。

特に意識すべきは「どのポケモンをバトル場に縛るか」の選択だ。

ワザに必要なエネルギーが採用されないポケモン、ワザに必要なエネルギーが多いポケモン、カビゴンを一撃で倒せないポケモンを狙って縛りつける。

マナフィ・ビーダル・かがやくゲッコウガ・イキリンコex——これらは多くのデッキに採用されているが、攻撃手段を持たないか持っていてもカビゴンを倒せない程度の打点しか出ない。こういったポケモンをバトル場に出し続けることで、相手のターンが完全に無駄になっていく。

終盤:詰みの盤面が完成したら待つだけ

こうして相手がサイドを取れない状態を作ったら、相手がデッキをすべて引き切るまで待つだけで、相手の「山札切れによる敗北」により勝利することができる。

詰みの盤面が完成したあとは、自分のデッキが尽きないように管理しながら相手のターンを消費させる。自分はロトムVなどで必要なカードを引きつつ、相手は無意味なカードを毎ターン1枚ずつ引いていく。この時間の非対称さが、LOデッキの本質的な強みだ。


「縛る」ためのポケモン選択——相手のデッキを見る目を鍛える

このデッキを使いこなす上で最も大切なスキルが、「相手のデッキを見て縛るべきポケモンを即判断する」能力だ。

相手がリザードンexデッキなら、ピジョットexやロトムVなどのサポート系をバトル場に引きずり出したい。これらは攻撃手段を持っていないか、持っていても火力が低い。カビゴンで縛り続けていればリザードン側は動けない。

ロストバレットなら、キュワワーが標的になる。

ミミッキュのワザ「ゴーストアイ」は相手のバトルポケモンにダメカンを7個乗せられるため、ロストバレットデッキに含まれるキュワワーを倒し相手に思い通りの動きをさせない選択肢もある。

ミミッキュのゴーストアイでキュワワーを倒してしまうと、ロストゾーンが積み上がらなくなる。ロストバレットの根幹を壊すこの一手は、相手からすると絶望的な状況だ。

タケルライコexデッキには「動けないポケモン」が比較的多い。テツノカイナexはエネルギーが4枚必要で、ミュウexは通常デッキには水エネルギーが入っていない。こういった詰みやすいポケモンをしっかり把握して対戦に臨むことが、勝率を上げる一番の近道になる。


ビワの使い方——タイミングが全てを決める

ビワは使う「タイミング」が非常に重要なカードで、ここが実力差として大きく出る。

相手が入れ替え札を使い切っていない段階でビワを打っても、グッズを2枚削れるだけで終わることがある。でもカウンターキャッチャーで相手のポケモンを縛った次のターンに打つと、「このターン逃げたかった」という入れ替え札を落とせる確率が跳ね上がる。

捨てる際に相手の手札を全て確認できるので、次の相手ターンの動きが予測しやすく、エリカの招待を使うタイミングも計れるため序盤から積極的に使いたいカードだ。

ビワで手札を確認したあと、「あ、まだ入れ替え札がある」とわかれば次のターンにもう一度ビワを狙う。「もう入れ替え札がない」とわかれば、そこで縛り役をより強固なポケモンに切り替える。この情報を起点にした判断の連鎖が、このデッキの流れを作る。


やらかした話——「入れ替え札の枚数を見誤った」

少し恥ずかしい経験をひとつ。

ミライドンexデッキとの試合で、相手の手札にジェットエネルギーが残っているのをビワで確認した。にもかかわらず「もうロトムVは機能していないだろう」と読んでカウンターキャッチャーでミライドンexをバトル場に呼び出した。

次のターン、相手はジェットエネルギーを使って入れ替えた。ミライドンexがベンチへ逃げ、代わりにテツノカイナexが出てきてカビゴンが倒された。

ビワで確認した情報を活かせなかった典型的なミスだった。手札に入れ替え札が1枚でも残っているなら、まずそれを削ることを優先するべきだった。

入れ替えられるとカビゴンを攻撃できるポケモンが出てきて倒される可能性がある。入れ替え系のグッズはビワや野盗三姉妹で早めにトラッシュしておくのがいい。

このデッキで最も大切なのは「入れ替え手段を先に潰す」という順番だ。縛りたいポケモンがいても、相手に入れ替え手段が残っているなら先にそれを除去することを優先する。この順番を間違えると、カビゴンが倒されて一手分のロスが生まれる。


有利対面と不利対面——環境読みで勝率が変わる

有利:リザードンex・タケルライコex・サーナイトex

このデッキが有利な「タケルライコex」「リザードンex」「ドラパルトex」が3強という形で最上位に君臨していた時期があり、その下に続くのも「サーナイトex」「レジドラゴVSTAR」「ルギアVSTAR」だったので不利な相手はルギアVSTARのみだった。

リザードンexはバトル場とベンチの入れ替え手段が少なく、縛りが決まりやすい。リザードンexのデッキはバトルポケモンとベンチのポケモンを入れ替える手段が少ないため、詰みやすい。

厳しい:ルギアVSTAR

ルギアVSTARのワザ「ストームダイブ」は威力が高く「勇気のおまもり」をつけたカビゴンも倒されてしまう。ジェットエネルギーが4枚搭載されているのでカビゴンによるロックがなかなか成立しない。さらにはロックできるポケモンが少なく、普通のデッキであればサポート役で攻撃してこないネオラントVですら、ルギアVSTARデッキでは攻撃してくる可能性がある。

ジェットエネルギー4枚という数字が全てを語っている。こちらのロックを毎ターン突破してくる可能性があり、カビゴンを継続的に倒されながら進めることになる。対策として「シンオウ神殿」や「メガトンブロアー」を採用して特殊エネルギーを対処する型も存在する。

トドロクツキex——完封できる

詰み盤面を作りやすいデッキが環境に多い中、ルギアVSTARは詰み盤面を作りづらい相手だ。一方でトドロクツキexデッキに対してはモモワロウexの特性「しはいのくさり」の効果でカビゴン側がポケモンをバトル場に縛れないという問題があるが、くるいえぐるでミミッキュを突破できるため注意が必要だ。

基本的にはトドロクツキex側が苦手とする対面で、相性は良い。ただしミミッキュの扱いには注意する必要がある。


このデッキを使う上での心構え

カビゴンLOは、ポケカの他のデッキとはまったく異なる感覚で使う必要がある。勝ちを「急がない」こと。相手のポケモンをきぜつさせる快感を求めない。むしろ相手が焦り始めたとき、盤面を詰まらせたとき——静かな達成感がじわじわとやってくるデッキだ。

数は少ないものの対策してないと詰むデッキとして環境での立ち位置を確立させた。毎週必ず優勝者を出している実績のあるデッキだ。

大会での使用率は高くないが、毎週どこかで優勝者が出る。この「知らない相手に対して圧倒的に強い」という特性が、環境読みと合わせることで驚くほどの勝率を生む。

特に練習環境に差があるジュニアではこうした搦め手デッキに対応できない参加者も多くなるので、結果を残しやすく、上位4人が全員カビゴンLOという大会もよく見かけた。

使いこなすのに慣れは必要だが、一度体に染み込めば「対策されていない環境を読んで持ち込む」という独特の大会戦略が開けてくる。単純なパワーゲームとはまったく異なる次元でポケカを楽しめる、そういうデッキだ。


まとめ

カビゴンLOデッキの本質は「相手を動けなくして、山札を引ききらせる」というシンプルなコンセプトだが、その実現のために必要な判断は多岐にわたる。

序盤はカビゴンをバトル場に立てながらロトムVでドローを積む。ビワで相手の手札を逐一確認しながら、入れ替え手段を野盗三姉妹と組み合わせて削り続ける。縛るべきポケモンを見極めてカウンターキャッチャーで呼び出し、相手が動けなくなったらあとは待つだけ。

勇気のおまもりをカビゴンに貼ってHP200に底上げし、exやVからはミミッキュで守る。この二段構えの防御体制が崩れなければ、大抵のデッキは自然と山札が切れていく。

環境に有利デッキが多い時期を見計らって持ち込む判断力も、このデッキを使う楽しさのひとつ。「対策されていない相手を詰ませる」あの静かな制圧感——一度味わうと、なかなか手放せなくなる。

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この記事を書いた人

「トレカを始めたいけど、どれが自分に合うのか分からない」という初心者・大人世代のための比較ガイドです。
ポケモンカード、ワンピースカード、マジック:ザ・ギャザリングなど、主要なトレカのルール難易度、初期費用、将来性を50歳の運営者がフラットに徹底比較。
カードゲームの基本用語から、親子や同世代で楽しむためのコミュニティの探し方、資産価値としてのカードの守り方まで。
第二の人生を豊かにする「大人の知的ホビー」としてのトレカ選びをサポートします。

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