これ、本当にエネ加速いらないの?
ポケカで初めてサーフゴーexのデッキと向き合ったとき、正直なところ「仕組みが単純すぎて逆に怖い」と思った。
鋼エネルギー1枚でワザが使える。手札のエネルギーをトラッシュした枚数×50ダメージ。6枚捨てれば300ダメージ、7枚捨てれば350ダメージ。エネ加速ギミックを何も用意しなくていい。
これがなぜ強いのか、最初はピンとこなかった。でも実際に使ってみると、全部が噛み合っていることがわかる。手札を引く仕組みがあるから大量のエネルギーが集まる。エネルギーが集まるからワザが打てる。ワザを打ってもスーパーエネルギー回収で拾い直せる。この循環がひとたび動き出すと、止まらない。
1度動き始めてしまえばそのドロー能力と安定感は凄まじく、相手の手札干渉によって止まることはほとんどない。結果として良い意味で予定調和的な試合展開を実現できる。そして何よりものすごく簡単なのがこのデッキの大きな特徴だと言える。
デッキの土台にある2つの仕組み
特性ボーナスコインが生み出す手札の厚み
特性ボーナスコインは自分の番に1回使え、山札を1枚引く。バトル場にいるなら、さらに1枚引くという効果だ。
サーフゴーex1体では最大2枚。でも並べるほど重なっていく。サーフゴーexは並べた数だけドローが重なる。一度並べてしまえば毎ターン大量ドロー。ナンジャモや強力な手札破壊を受けたとしても、サーフゴーexを並べるだけで手札を立て直せてしまう。
手札干渉が機能しにくいデッキというのは、対面する側にとってひたすら嫌だ。ナンジャモで4枚に絞っても、次のターンには補充されている。この厚みがゲーム全体を通じて「思ったように機能しない」という感覚を相手に与え続ける。
ゴールドラッシュは青天井ワザの中でも扱いやすい部類
ゴールドラッシュは手札から基本エネルギーを好きなだけトラッシュし、その枚数×50ダメージを与える。
他の青天井ワザと比べると、サーフゴーexのゴールドラッシュは「必要エネルギーが1枚だけ」という点で抜きん出ている。エネ加速が全く必要ないためにデッキの自由度が比較的高いというのが、タケルライコexなど他の高火力デッキとの根本的な違いだ。加速手段に枠を割かなくていいぶん、様々なカードを採用できる。
コレクレーをとにかく並べることが全ての起点
対戦開始後、まず一番最初にやるべきことはコレクレーを並べることだ。このデッキは盤面のサーフゴーの数がそっくりそのままアドバンテージに変換されるため、大量展開できるかどうかで中盤以降の楽さが大きく変わってくる。
1体と2体では毎ターンのドロー枚数が全然違う。2体と3体でもまた変わる。序盤の数ターンでコレクレーをどれだけベンチに並べられるかが、その試合全体の動きやすさを決める。
なぜバトル場から進化させるのかというと、ボーナスコインでドローできる枚数が多くなるからだ。バトル場でボーナスコインを使ってから進化させることで、よりドロー枚数を稼げる。こういう細かい手順の意識が、ゲームを通じた手札の厚みに響いてくる。
エネルギーを集める手順の全体像
エネルギー転送PROによるデッキ圧縮
相手のきぜつを起爆剤として、はげましのてがみや大地の器を複数回使用して山札からエネルギーカードをすべて手札に集める。山札にエネルギーカードがない状態でポケストップを使うことでグッズを引きやすくするという形で、デッキ全体に良い循環が生まれる設計になっている。
多めにエネルギーを採用しなければならないデッキだが、エネルギー転送PROでデッキからエネルギーを一気に引き抜くことができるので、引いても引いてもエネルギーばかりということにはなりにくい。エネルギー転送PRO自体もカイでサーチすることができるので、サイド落ちさえしなければ容易にアクセスできる。
デッキからエネルギーを引き抜いてしまえば、残るのはグッズやサポートばかりになる。そうなるとボーナスコインで引くカードがほぼ全て動けるカードになり、展開がどんどんスムーズになっていく。
スーパーエネルギー回収でエネルギーを使い回す
ゴールドラッシュで手札のエネルギーをトラッシュしても、スーパーエネルギー回収でトラッシュから4枚まとめて手札に戻せる。
1回使ったエネルギーもスーパーエネルギー回収で使いまわせることで、エネルギーが枯渇しにくい循環ができあがる。ゴールドラッシュを撃つ→エネルギーがトラッシュに落ちる→回収で手札に戻る→また撃てる、という流れが成立すると、毎ターン高火力が維持される。
マシマシラで打点を底上げする
サーフゴーは手札のエネルギーを1枚トラッシュするごとに50点ずつダメージが伸びていくが、5枚トラッシュの250点+マシマシラで280、6枚トラッシュの300点+マシマシラで330点と、VSTARや2進化exを倒すために若干足りないダメージを補強してくれるのがマシマシラの魅力だ。
あと少し届かないという場面でゲームを決められないのは、このデッキに限らずどのデッキでも起きうる問題だ。マシマシラはその「もうひと押し」を任意のタイミングで用意できる。
ターンごとの動き方
1ターン目の行動方針
コレクレーを可能な限り並べる。先攻か後攻かによって動けるカードが変わるが、後攻ならペパーを筆頭に各種サポートが使える。先攻よりは動きに繋がる札が多いため、後攻を選ぶプレイヤーが多い。
先攻を取って展開できなかった場合、グッズロックをされると何もできないまま終わる可能性がある。このデッキはポケモンの展開だけでなく、エネルギーの工面もグッズに頼っているため、グッズが止まると両方が機能しなくなる。
2ターン目以降の動き
コレクレーをサーフゴーexに進化させながら、ボーナスコインを使って手札を補充していく。暗号マニアの解読で山札のトップに欲しいカードを仕込み、ボーナスコインで確実に引きにいくという動きが強い。
基本的な回し方は、ありったけのコレクレーを並べ、片っ端からサーフゴーに進化していき、エネルギー転送PROでデッキを超圧縮し、ゴールドラッシュで相手のポケモンを倒し続けるという流れだ。
エネルギーが揃い次第、ゴールドラッシュを撃ち始める。最初の1発がゲームのリズムを作るので、どのタイミングで最初のサイドを取りにいくかの判断が試合の分かれ目になりやすい。
ベンチの管理に気を配る
サーフゴーex2体で押し切れるため、進化できる予定のないコレクレーはベンチに置かない方が良い。かがやくゲッコウガもターゲットとなるため、ベンチに出すのは控えたい。
ベンチを埋めすぎると、後述するドラパルトex対面でまとめてダメカンを乗せられたり、相手の展開選択肢を増やしてしまったりする。何体並べるかは常に意識しながら動く。
苦手な対面と向き合い方
ドラパルトex
ドラパルトex対面では、ファントムダイブで200ダメージ+ダメカン6個をベンチのサーフゴーexに乗せられると残りHPが200になる。次の番に6個ダメカンが乗ったサーフゴーexを呼び出された場合、2体同時に倒されてしまう。
HP260というラインが、ファントムダイブのダメカン散布と噛み合ってしまう。マシマシラの特性でダメカンを相手の場に乗せ換えることで、2体同時に倒されることを防ぐことができるという対策がある。ダメカンを移動させることで生存ラインをずらす動きが有効だ。
サーナイトex
サーナイトデッキは搦手の極みのようなデッキで、基本勝つことはできない。サーナイトに対するメタカードをこれでもかと詰め込んだとしても、五分になるかどうかすら怪しいという評価がある。
サーナイトexや古代バレットなどの非ルールポケモンが高火力を出してくるデッキには、こちらがサイドを1しか取れないのに対して相手はサイドを2枚ずつ取っていく展開となる。サイドが1-2交換となり、サイド差をつけられてしまい不利になる。サーナイトはこのデッキの構造的な弱点を正確に突いてくる相手で、構築で対処できる範囲には限界がある。
非ルールポケモン主体のデッキ全般
サーフゴーexで倒せるけどサブアタッカーでも倒せるような状況の場合、極力非ルールポケモンであるサブアタッカーを前に出してワザを使用しておきたい。相手からすると、サブアタッカーのワザも無視できない状況であればサブアタッカーを攻撃せざるをえないため、サイドを取られる枚数を減らすことができる。
サイドレースを意識したポケモンの使い分けが、非ルール主体の相手との戦い方の核心になる。
デッキ構築の方向性
エネルギー転送PRO型
現在の主流構築で、基本的な動かし方は相手にコレクレーやマナフィ等の倒されてもサイドを1枚しか取られないポケモンを倒させて、そこからサーフゴーexでカウンターを狙う形になる。
エネルギー転送PROで山からエネルギーを大量に引き抜き、ゴールドラッシュで叩き込む。デッキの動きが単純に収束しているため、プレイングの判断がシンプルで安定する。
オリジンパルキア型
オリジンパルキアVSTARが採用された型。サーフゴーは攻撃に鋼エネルギーを1枚しか要求しないため、一見相性の悪そうなポケモンと組み合わせてもデッキとして成り立っている。サーフゴーexで大ダメージを出すには時間がかかることが多いため、その繋ぎとしてオリジンパルキアVSTARやかがやくゲッコウガで攻撃するという形だ。
トラッシュからエネルギーを加速できるVSTARパワーと、手札からエネルギーをトラッシュするサーフゴーの技の噛み合いがいい点がこの組み合わせの根拠になっている。
自分が失敗した話
サーフゴーexを初めて大会に持ち込んだとき、コレクレーを「安全のために」1体だけ置いてゲームを始めた試合があった。サイドに落ちたら困るという気持ちが先立って、積極的に並べることをためらったのだ。
結果、ボーナスコインが毎ターン1枚しか引けない状況が続いた。手札が細いまま序盤が過ぎ、エネルギーが揃うころには相手の盤面がすでに出来上がっていた。
このデッキが強い理由は、コレクレーを並べることへの躊躇をなくしたところにある。1体を丁寧に育てるデッキではなく、並べた数が全てアドバンテージになる設計だ。その設計に逆らって1体だけで動こうとするのは、そもそもデッキコンセプトを半分捨てているのと同じだった。
逆に、コレクレーを序盤に複数並べてから動き始めた試合は、驚くほどゲームが楽になる。手札が厚い状態でゴールドラッシュを撃てる試合と、手札が細いまま撃つ試合では、試合全体の手応えがまるで違う。
このデッキの本質
サーフゴーデッキの強みは、サーフゴーの技による青天井ダメージと、エネ加速が必要ないお手軽さだ。手札にエネルギーを用意する必要はあるものの、技自体は鋼1エネで発動することができるため、デッキにエネ加速の手段が必要ない。
構造そのものはシンプルで、やることも明確だ。コレクレーを並べてサーフゴーexに進化させ、エネルギーを手札に集めてゴールドラッシュを撃つ。それだけのはずなのに、実際のゲームでは意外と判断が多い。ベンチの管理、エネルギーの回収タイミング、サブアタッカーとの使い分けこういう細かい選択の積み重ねが、勝率に直結している。
簡単に見えるデッキほど、上手くなる余地が実はたっぷりある。サーフゴーexは、そういうタイプのデッキだ。

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