グレンアルマという特殊な立ち位置
ポケカのデッキの話をするとき、グレンアルマは「アタッカーとして語られることが少ない」という点でちょっと変わった存在だ。
環境でよく名前が挙がるリザードンexやドラパルトexはアタッカーとして語られる。でもグレンアルマはそうじゃない。このポケモンが注目される理由の大半は、特性「ひおくり」にある。
ひおくりバレットデッキは、グレンアルマの特性「ひおくり」で炎エネルギーをアタッカーに供給して戦うデッキだ。つまりグレンアルマ本体が殴るわけではなく、ベンチから炎エネルギーを前のポケモンに送る黒子の役割を担う。
この「供給者」としての設計が絶妙で、炎エネルギーさえ必要とするアタッカーなら何でも動かせる。相手のデッキに合わせてアタッカーを切り替える、いわゆるシルバーバレット戦術との相性が抜群に良い。
ひおくりの仕組みを正確に理解する
グレンアルマの特性「ひおくり」は、自分の番に一回使え、ベンチの炎エネルギーをバトルポケモンに移動させる効果だ。
ここで大切なのが「移動」であって「加速」ではないという点だ。山札や手札からエネルギーを出すわけではなく、すでに場にある炎エネルギーをバトル場のポケモンに送り込む。
ヒビキのホウオウexの「こんじきのほのお」で貯めた炎エネルギーを、グレンアルマの「ひおくり」でエネルギーを移動して攻めるという流れが基本の動き方になる。ヒビキのホウオウexが炎エネルギーをベンチにばら撒き、グレンアルマがそれをバトル場に集める。このエネルギーの流れが全てのアタッカーの起動を支える仕組みだ。
また、プリズムエネルギーも「ひおくり」でエネ加速できるから、いろんなアタッカーポケモンを育てて戦える。炎エネルギーだけでなくプリズムエネルギーも移動できるため、炎以外のタイプのワザ要求も満たせる。これがバレット戦術と組み合わさったときの広がりを生む。
カルボウとグレンアルマの進化ルートを確保する
グレンアルマは2進化ポケモンなので、カルボウからホゲータ、ホゲータからグレンアルマという進化の流れを踏む必要がある。
レベルボールはHP90以下のポケモンが多く採用されているので4枚採用。カルボウやラルトス、キルリア、マナフィ、ジラーチを手札に加えられるという構成が典型的だ。
カルボウは採用枚数が多く、HP70カルボウはなかよしポフィンでサーチ可能で、ファントムダイブの余波で倒れないHP70が安定した選択肢になる。相手のベンチ狙撃でカルボウを落とされるリスクを考えると、HP70ラインを選ぶ理由がある。
グレンアルマがベンチに鎮座してひおくりを使い続ける、この構図を維持するためには進化ラインをきっちり確保することが前提になる。どんなに優秀なアタッカーを並べても、グレンアルマが場にいなければひおくりは使えない。
メインアタッカー不在というデッキのコンセプト
グレンアルマバレットの面白さは「メインアタッカーを1体に絞らない」点にある。
採用しているポケモンの幅を武器とし、いろんなデッキに弱点を突きながら戦うのが特徴だ。相手の炎弱点なら炎アタッカーで弱点を突き、草弱点には草タイプのポケモンを、と対面ごとにアタッカーを変えていく。
採用率が高いカードを見ると、かがやくリザードン、マシマシラ、キチキギスex、マフォクシーV、アルセウスVSTAR、カルボウ、レジギガスなど、多彩なポケモンが採用されているのがわかる。これだけ種類が多いのは、デッキコンセプトが「どんな相手にも対応できるように」という思想から来ているからだ。
ひおくりがあれば、炎エネルギー供給が必要なアタッカーを何でも動かせる。だから構築の自由度がとにかく高い。
ターンごとの動き方
1ターン目の優先順位
カルボウを並べることが最初にやるべきことだ。バトルVIPパスを1ターン目に使用してベンチを展開し、たねポケモンを多く並べて2ターン目にワザを少しでも使えるようにする。
同時に、対戦相手のデッキを見て何タイプのアタッカーを優先して用意するかを判断し始める。1ターン目の配置と判断が、このデッキでは特に後の展開を左右する。
2ターン目以降の動き
グレンアルマへの進化を目指しながら、ヒビキのホウオウexで炎エネルギーをベンチにばら撒く。同時にアタッカー候補のたねポケモンも場に並べ、グレンアルマのひおくりで攻撃準備を整えていく。
グレンアルマexはベンチにひおくりグレンアルマを、次のグレンアルマを用意するためのカルボウ、エネ加速兼アタッカーのヒビキのホウオウex2体の布陣が理想だ。どれが倒されても夜のタンカで復旧しやすい盤面で崩しづらい。
2体以上のアタッカー候補が育った状態でゲームが進むと、相手はどちらを優先して倒すかの判断を強いられる。この迷わせる圧力がバレット構築の本質的な強みだ。
中盤以降:ひおくりの使いどころを見極める
ひおくりは番に1回しか使えないので、どのアタッカーに炎エネルギーを送るかの判断が毎ターン発生する。
今殴っているアタッカーにエネを追加するか、次のアタッカーへの準備に使うか。相手が今のアタッカーを倒してくるなら次の準備を優先し、倒してこないなら追加打点を乗せて1ターン早く仕留める。この判断の精度がゲームの勝率に直結する。
グレンアルマex型との違い
2種類のグレンアルマがある。
特性「ひおくり」を持つ通常グレンアルマと、特性「グレンアーマー」を持つグレンアルマexだ。
グレンアルマexの特性「グレンアーマー」はHPが満タンの状態なら受けるダメージが-80される。1進化exポケモンで特性込みのHPが340と破格の性能を持つ。またワザ「しゃくねつバズーカ」も青天井ワザで、炎エネルギーをつけた分だけダメージが上がる。
ただし、グレンアルマexをメインアタッカーとして使う場合、エネルギーを大量に乗せる必要があり、そのエネ加速にサーナイトのアルカナシャインなどを活用した別の構築が必要になる。ひおくりを活かしたバレット型とは根本的に動き方が異なる。
グレンアルマexは青天井打点でOHKO可能な高火力と高耐久を持ち、バレットデッキが弱点を突くのに対してコチラは高い数字を押し付ける役割を担う。一方、進化ポケモン故に準備がかかるため中盤から捲る力が必須になる。
グレンアルマが倒されたときの対処法
ひおくりバレットデッキはグレンアルマが場にいることで成り立つデッキなので、グレンアルマがやられるとエネ加速できず、苦しくなる。
これが最大の弱点だ。グレンアルマ1体しかいない状態でやられると、エネルギー供給が止まりアタッカーが動けなくなる。
対策としては、ベンチにカルボウとホゲータを常に用意しておくこと。夜のタンカでトラッシュのグレンアルマを即座に回収できる準備を怠らないこと。そして可能なら2体のグレンアルマを並べて、どちらかが落とされてもひおくりが継続できる体制を作ること。
自分が体感した失敗と発見
ひおくりバレットを最初に握ったとき、アタッカーの枚数が多すぎて「何を前に出せばいいか」で迷うことが多かった。相手の盤面を確認しながら「今何タイプで殴るべきか」を考えているうちに、1ターン無駄に使ってしまう場面が何度かあった。
このデッキで大事なのは「アタッカーを決めてから動くこと」だ。1ターン目に相手のデッキを見た段階で「このゲームは炎アタッカーで押し切る」「草弱点に変えて弱点を突く」という方針をある程度決め、そこに向けて準備を進める。迷いながら動くより、方針を早く固める方がデッキが噛み合う。
逆にうまくいった試合は、ヒビキのホウオウexがべンチにエネルギーをしっかり準備できて、グレンアルマが2体並んだターンだった。ひおくりを使うたびに複数アタッカーが育っていく感覚は、他のデッキでは味わえない独特の手応えがある。
このデッキの楽しさと難しさ
グレンアルマ以外のポケモンはたねポケモンで構成していて耐久力は低い。回しやすいデッキなので初心者プレイヤーにおすすめだという評価がある一方で、アタッカーを状況判断で使い分ける部分は慣れるほど奥が深くなる。
シンプルに始められて、経験を積むほど立ち回りの精度が上がっていくそういうデッキだ。
環境に炎弱点・草弱点のデッキが多ければ多いほど輝き、逆に対策されやすいデッキとの対面が増えるほど苦しくなる。環境読みがそのまま勝率に出るという点でも、研究のしがいがある構築だと思う。

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