チオンジェンexというカードは、使う側も戦う側も「相手次第でどうにでもなる」という印象を持っている。ベンチポケモン1体に相手の取ったサイド枚数×60という打点設計は、相手がサイドを4枚取っていれば240ダメージでベンチを一撃できぜつさせられる一方、相手がサイドを全然取っていなければ60ダメージにしかならない。このデッキを使っていて最も難しいのは「いつ出すか」で、状況が整うまで温存しながら、整ったと思ったらもう関係ないカードが出てきたそんな試合展開を何度も経験してきた。
チオンジェンexデッキの弱点を生む構造
チオンジェンexのワザ「むさぼるつた」は草・無・無の3エネルギーが必要で、相手のベンチポケモン1体に相手がすでに取ったサイドの枚数×60ダメージを与える。ベンチは弱点・抵抗力の計算なし。もう一方の「フォレストバーン」は草エネルギーを4個必要とし、場の草エネルギーの枚数×20ダメージを与える。
ワザに必要なエネルギーが多いのが難点で、序盤は他のポケモンで戦いながらチオンジェンexに草エネルギーをつけてWHEN準備を整えておく必要がある。
弱点の構造は4軸に整理できる。むさぼるつたがベンチにしか当たらない設計を利用して逃げ続ける、マナフィでベンチへのダメージを防ぐ、炎弱点を突く、サイドを渡さないまま戦ってむさぼるつたの打点を低く抑える——この4点のどれかに刺さるカードが、相性の悪いカードになる。
ポケモン入れ替えカード全般——むさぼるつたのターゲットを逃がし続ける
入れ替えで逃げられると倒せないまま番が終わる
ポケモン入れ替えなどで入れ替えるという選択肢を取りやすいデッキに対してはチオンジェンexは強く出れないため、サブアタッカーを用意したい。
むさぼるつたはベンチポケモン1体にしか当たらない。ダメカンが乗って次のターンにきぜつするポケモンをベンチから逃がされると、そのダメカンが無駄になる。しかもチオンジェンexのワザを使った次のターン、相手が入れ替えカードを使えばダメカンが乗ったポケモンをベンチ奥に引っ込めてしまう。
あなぬけのヒモを使うことでバトル場のポケモンをベンチへ下げれる。チオンジェンexのワザ「むさぼるつた」はベンチポケモンにしか攻撃できないので、あなぬけのヒモを使うことで相手の逃げるを補助して妨害できる。
逆に言えば、相手が入れ替えカードを多く採用しているデッキとの対面はチオンジェンex側にとって消耗戦になる。ダメカンを乗せても乗せても逃げられ、毎ターン別のポケモンが前に出てきてまた乗せ直しになる。エネルギーを消費してワザを使ったのに倒せないターンが続くと、じわじわリソースが削れていく。
ジェットエネルギーはルギアデッキが大量に採用するカードで、逃げながら攻撃できる。チオンジェンexがむさぼるつたでベンチを狙っても、ジェットエネルギーで次々と逃げてくる動きに対しては、倒し切れないまま試合が続く。
マナフィ——なみのヴェールでむさぼるつたを完全遮断する
マナフィの特性「なみのヴェール」はベンチポケモンへのワザのダメージを防ぐ。むさぼるつたはベンチにしか当たらないワザのため、マナフィが場に出た瞬間、チオンジェンexは何もできなくなる。
マナフィがある状態ではむさぼるつたが使えなくなるため、チオンジェンex側からの対処が必要になる。
このカード1枚で、チオンジェンexデッキのメイン攻撃手段が完全に封じられる。フォレストバーンはバトル場に通常通り当たるためマナフィの影響を受けないが、フォレストバーンは草エネルギーを4枚以上必要とする重いワザだ。マナフィを倒す手段として、フォレストバーンをバトル場に当て続けるしかなくなるが、そのためのエネルギー準備に時間がかかる。
実際の試合でこれをやられたとき「マナフィが出てきた瞬間に詰んだ」という感覚は、チオンジェンexを使っていれば必ず体験する。キャンセルコロンでなみのヴェールを消してからむさぼるつたを使う対処が有効だが、それを引けるかどうかが前提条件になる。
サイドを渡さない戦略——むさぼるつたの打点が上がらない
むさぼるつたの最大の条件は「相手がすでに取ったサイドの枚数」だ。相手がサイドを1枚しか取っていない状態では60ダメージ、2枚で120、3枚で180——こちらが大ダメージを出せるのは後半だけだ。
後攻1ターン目に相手のワザで230ダメージを超えるようなワザを出すことは滅多にできないため、先攻であればバトル場のチオンジェンexがワンパンされる可能性は低い。
序盤からチオンジェンexをバトル場に置いて耐久しながらエネルギーを積む動きをする場合、その間は相手が積極的にサイドを取りに来ないと打点が上がらない。非ルールポケモン主体の相手や、サイドを慎重に渡しながら戦うコントロール系の対面では、むさぼるつたがずっと低打点のまま機能しない状況が続く。
相手の立場から言うと「なるべくサイドを取らずに戦う」という逆説的な戦略がチオンジェンexに対して有効になる。先にサイドを4〜5枚取らせてから、むさぼるつたが届く前に勝負を決める——これが意識的に取れる立ち回りだ。
炎弱点——かがやくリザードンや炎タイプが直撃する
チオンジェンexは草タイプで炎弱点を持つ。HP230という耐久があっても、弱点倍率2倍を受けると実質115相当になる。
弱点・げんきのハチマキ付きはチオンジェンexをワンパンされる可能性があるため注意が必要だ。
かがやくリザードンのかえんばくは250ダメージで、炎タイプのため弱点を突ける。ただしかがやくリザードン自身がたねポケモンでHP160のため、チオンジェンex側もフォレストバーンで返せる場面もある。問題はリザードonexデッキと対面した場合で、バーニングダークが弱点倍率込みで360〜420になる計算だとHP230のチオンジェンexが一撃で消える。
炎タイプのアタッカーが多い環境では、チオンジェンexをバトル場に長く置き続けることへのリスクが高まる。勇気のお守りでHP280にしておけば耐久が改善されるが、それでも弱点込みで高い打点を出してくるデッキには対処し切れないケースが出てくる。
セイボリー——ベンチを絞ってむさぼるつたのターゲットを消す
セイボリーは相手のベンチを3体まで絞れるサポートカードだ。チオンジェンex側がベンチを5体展開していても、3体まで減らされることでシステムポケモンの多くが場から消える。
入れ替えカードで入れ替えることが可能なデッキやベンチ展開が少ないデッキに対してはチオンジェンexは強く出れない。
セイボリーで相手のベンチを絞る動きと、むさぼるつたの関係は一見関係ないように見えるが、チオンジェンexが採用しているフォレトスexやビーダルをベンチから排除されることで自分のエネルギー供給やドロー手段が消えることがある。チオンジェンex側が受けるセイボリーの影響も大きいが、こちらがセイボリーで相手のベンチを絞って「むさぼるつたで狙えるポケモンを減らす」という発想も対策として機能する。
ダイ木の丘——回復手段を封じて耐久を短縮させる
デッキ内にHPを回復させるカードが多いため、ダイ木の丘を出すことでいれかえカートやファイトオレの回復効果を無効化できる。回復が出来ないため耐久しにくくなり、少ない攻撃できぜつさせることができる。
チオンジェンexデッキは耐久しながらエネルギーを積むプランを取ることが多く、いれかえカートのような回復グッズを採用してHP管理をする構成が存在する。ダイ木の丘でその回復効果を無効化されると、チオンジェンexが削れていくにつれてHP管理ができなくなり、想定より早くきぜつする。
耐久型のデッキに対してダイ木の丘を貼るという発想は、チオンジェンexが強みとしている「高HPを活かした時間稼ぎ」を直接削ぐ対策として機能する。
エネルギー要求の重さ——序盤の立ち上がりが遅い
攻撃するのに多くのエネルギーを必要とする。序盤はチオンジェンexの攻撃準備のため、他のポケモンで戦うようにする。他のポケモンが戦っている間はナタネの活気などを使ってチオンジェンexに草エネルギーをつけ、いつでも攻撃できる準備を整えておこう。
むさぼるつたに草・無・無の3エネ、フォレストバーンに草4枚という要求は序盤に即起動できる重さで、準備中に手札干渉を打たれると立ち上がりがさらに遅れる。ナンジャモやジャッジマンが有効なのはこの準備期間を狙い打ちできるためで、エネルギーを集めようとしている手を崩すことが対策として機能する。
勇気のお守りをチオンジェンexに貼ってHPを280まで伸ばして戦いたい。先攻2ターン目にフォレストバーンを使えば大体のポケモンを一撃で倒せる。
先攻2ターン目からフォレストバーンを宣言できる構成を目指しているが、それには1ターン目にエネルギーを複数枚準備する必要がある。初手の手札が不安定だとこの動きが崩れ、相手に先行されたまま追いかける展開になる。
実戦での失敗談と成功体験
マナフィ1枚に完封された試合
シティリーグの予選で、ロストバレットと対面したとき相手が後攻1ターン目にマナフィを置いてきた。むさぼるつたが全く使えない状態になり、フォレストバーン路線に切り替えようとしたが草エネルギーが足りなかった。キャンセルコロンを持っていなかったその試合、チオンジェンexでできることが何もない状態が4ターン続いた。手張りでエネルギーをつけながらフォレストバーンを目指したが、その間に相手はロストゾーンを積み上げて、4ターン目のミラージュゲートからかがやくリザードンが起動して試合が決まった。
「キャンセルコロンを最低1枚は入れておかないとマナフィが出てきたとき詰む」という教訓を得たのがあの試合で、それ以来必ずデッキに差し込んでいる。
むさぼるつたで連続サイドを取って逆転した試合
逆に気持ちよく決まった試合もある。タケルライコexデッキとの対面で、序盤にフォレトスexのばくれつエナジーを使いながら相手に先行させる展開を意図的に作った。相手がサイドを3枚取ったところでチオンジェンexを前に出し、むさぼるつたで180ダメージをオーガポンみどりのめんexに当ててベンチできぜつ。返しに相手のきょくらいごうでチオンジェンexが倒されてサイドを2枚取られたが、フォレストバーンを使って別のポケモンを倒してサイドを取り返した。そのまま逆転勝利した。
むさぼるつたが刺さる状況を「作る」という発想が、このデッキを使う上での核心だと実感した試合だった。先行させてから逆転する、という逆張りの設計がこのカードの面白さだ。
チオンジェンex側が持つ対処手段
マナフィへの対処はキャンセルコロン、入れ替えカードへの対処は重力玉で逃げエネを増やして縛る動き、炎弱点への対処は勇気のお守りで耐久を上げる。
相手のポケモンの逃げエネを増やして妨害力を高めたいという観点から重力玉と災いの荒野を採用する構成が有効で、逃げを封じてからむさぼるつたで確実に倒す流れを作れる。
相性の悪いカードを把握しておくほど「この対面はマナフィへの対処を先に動かす」「この対面は入れ替えカードが多いからむさぼるつたより重力玉で縛る戦術に切り替える」という判断がスムーズになる。チオンジェンexは状況依存型のアタッカーで、その依存している条件が崩れたときにどう戦うかを前もって考えておくことが、このデッキを握る上での最初の準備になる。

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