オーガポンかまどのめんexは、対面する側からするとかなり嫌な存在だ。ダメカンが乗れば乗るほどいかりがまの打点が上がる。200ダメカンが乗った状態から400ダメージを叩き出せる。しかし使う側に立ってみると、実は相当制約の多いカードで「なんでこんなに動きにくいんだ」と感じる場面が頻繁に訪れる。技の条件がどちらも相手または自分の状態に依存していて、状況が噛み合わないと本来の強さが出せない。4種のオーガポンexの中でも採用率が低いのは、この扱いにくさが原因だ。
かまどのめんexデッキの弱点を生む構造
オーガポンかまどのめんexの強い点は技「いかりがま」により高火力のカウンターができる点だ。最大ダメージは400ダメージを出せるのでヒーローマントをつけているポケモンを除き、ほぼ全てのポケモンを1発できぜつさせられる威力が出せる。技がどちらとも相手に依存しているので単体でのスペックはあまり高くない。スタートがこのオーガポンになってしまうと鬼の仮面で草オーガポンに交換するなどしないとこのオーガポンだけではエネルギーの供給が間に合わないため、技が打てないできぜつしてしまいかねない。低耐久故に簡単にきぜつさせられてしまうので注意が必要だ。
弱点の構造は3本に整理できる。いかりがまの前提条件であるダメカンを乗せさせない、ダイナミックブレイズの対象外にする、エネルギー供給を断ち切る——この3軸に当たるカードが相性の悪いカードになる。
たねポケモン主体のデッキ——ダイナミックブレイズが機能しない
「進化ポケモンなら追加140」という条件の脆さ
ワザ「ダイナミックブレイズ」は炎エネルギー3つ必要で、相手のバトルポケモンが進化ポケモンなら140ダメージ追加する。その場合このポケモンについているエネルギーをすべてトラッシュする。
進化ポケモン相手でなければダイナミックブレイズは140ダメージしか出ない。たねポケモンが主軸のミライドンexデッキ、タケルライコexデッキ、あるいは非ルールのたねポケモンを並べてくるロストバレットのような構成と対面すると、バトル場のポケモンが進化していないためダイナミックブレイズで高ダメージを狙えない場面が出てくる。
3枚の炎エネルギーを消費して140ダメージというのは、コストに対してリターンが釣り合わない。しかもその消費したエネルギーはすべてトラッシュになる。次のターンに再度3枚用意するためにマグマの滝壺や手張りを駆使しなければならず、エネルギー循環の負担が大きい。
たねポケモンが多い環境ほど、ダイナミックブレイズの出番が減ってかまどのめんexの存在意義が薄くなる。そのときはいかりがまに役割を切り替えるか、別のアタッカーに頼るしかなくなる。
ダメカンを乗せない立ち回り——いかりがまの前提が消える
いかりがまの打点はこのポケモンに乗っているダメカンの数×20ダメージだ。裏を返すと、ダメカンが乗っていなければほとんどダメージが出ない。
いかりがまを打ちやすくするためにエーススペックのカード枠をサバイブギプスかヒーローマントにするとダメカンが乗った状態を作りやすくなるのでおすすめだ。
相手がかまどのめんexを一撃で倒せる火力を持っている場合、ダメカンが乗る暇なく消えていく。一撃で倒されるとバトル場に出てすぐきぜつするため、ダメカンを貯める余裕が一切ない。いかりがまを使うには「ある程度攻撃を受けながら生き延びる」という前提が必要で、高HP耐久デッキや少しずつ削ってくる構成には強く出られるが、一撃型のデッキに対しては戦略そのものが成立しにくい。
勇気のお守りでHPを上げてダメカンを蓄積させる動きや、鬼の仮面でダメカンが乗った別のオーガポンと入れ替えてきたかまどのめんexに引き継ぐ工夫が必要になる。
水タイプ弱点——パオジアンexやオリジンパルキアVSTAR
オーガポンかまどのめんexはベンチにいるかぎりワザのダメージを受けないポケモンで、炎タイプのテラスタルポケモンだ。
炎タイプのため水タイプに弱点を持つ。パオジアンexのヘイルブレードは水エネルギーを複数トラッシュして高火力を出せるため、弱点込みで一撃できぜつさせてくる可能性がある。HP210という数値は、弱点を突かれると実質的に大幅に下がったのと同じ意味を持つ。
水タイプのアタッカーと当たる場面では、かまどのめんexをバトル場に出すタイミングを慎重に計る必要がある。鬼の仮面でダメカンが乗った状態のオーガポンをかまどのめんexに交換する際も、次に水タイプの攻撃を受ける可能性があるなら、いかりがまで倒せる計算が成立するときだけ出すという制限が出てくる。
エネルギー供給が草オーガポン依存——初手に出るとそのまま詰む
スタートがこのオーガポンになってしまうと鬼の仮面で草オーガポンに交換するなどしないとこのオーガポンだけではエネルギーの供給が間に合わないため、技が打てないできぜつしてしまいかねない。
オーガポンかまどのめんexはみどりのまいを持たない。自分でエネルギーを加速する手段がなく、草オーガポンのみどりのまいやマグマの滝壺に依存している。初手でバトル場に置かれてしまうと、みどりのまいで自分自身にエネルギーをつけることができない。
このデッキを使ってジムバトルに出たとき、最初の番でバトル場にかまどのめんexが出てしまったことがある。鬼の仮面がなく、草オーガポンも手札になかった。マグマの滝壺もなく、手張り1枚だけでは3エネ要求のワザに届かない。完全な手詰まりで、そのまま攻撃もできずに倒された。
あの試合以来、かまどのめんexを最初から置くのは極力避けて、ベンチで準備が整ってから鬼の仮面で入れ替える手順を徹底するようになった。使い方を誤るだけでこれほど機能不全になるカードは珍しい。
クレッフィ・テツノイバラex——みどりのまいを止めてエネ供給を遮断する
かまどのめんexを使うデッキにはみどりのめんexが必ず採用されている。そのみどりのまいをクレッフィのいたずらロックやテツノイバラexのイニシャライズで止められると、かまどのめんexへのエネルギー供給経路が消える。
テツノイバラexは自身がバトル場にいれば未来以外のルールを持つポケモンの特性を全てなくす効果を持つ。オーガポンみどりのめんexデッキは主にみどりのまいやイキリンコexのイキリテイクでデッキを動かすのでテツノイバラexは非常に厄介だ。
みどりのまいが止まると、かまどのめんexにエネルギーをつける手段がマグマの滝壺と手張りだけになる。1ターンあたり最大2枚の供給に落ちるため、3エネ必要なダイナミックブレイズの準備に最低でも2ターンかかる計算になる。その間に相手がベンチのオーガポンを倒してきたり、手札干渉を重ねてくると、エネルギーが揃う前に倒される展開が生まれやすい。
たねポケモン対策のない構成——ダイナミックブレイズの限界を補えない
オーガポンかまどのめんexやウガツホムラexなどでは一撃で2進化exポケモンをきぜつさせられない。そこで特性タキオンビットをもったテツノブジンexを採用した。このようにダメカンを貯めていき足りない打点を補える優秀な特性だ。オーガポンかまどのめんexのワザいかりがまと相性がいいので採用を検討してもいい。
テツノブジンexでダメカンを事前に乗せてからいかりがまで追撃する、という動きはこのカードの強みを引き出せる使い方だが、それが準備できない局面では火力計算が狂う。たねポケモン相手にダイナミックブレイズが140止まりになる局面と、2進化相手でもダメカンが乗っていないとき——この2つが重なると、かまどのめんexがバトル場に出ても意味ある攻撃が一切できない試合になる。
オーガポン炎側が持つ対処手段と使いどころ
対処方法として、ピジョットexを集中狙いにするのが有効だ。ダイナミックブレイズはピジョットexを一撃できぜつさせられる。ピジョットexをきぜつさせてリザードんexに進化させづらくしよう。
炎ポケモンのデッキに採用する場合はダイナミックブレイズでポケモンVSTARを280ダメージ出して1発できぜつさせることができるのでエネルギーの消費をどうにかできれば強力なサブアタッカーになれる。炎エネルギーをつけられて、ダメカンを載せられるマグマの滝壺とは相性がいいので一緒に採用できるだろう。
ダイナミックブレイズはリザードonexのマッハサーチを担うピジョットexやギラティナVSTARのような2進化相手に280ダメージを叩き出せる。この対面に限れば突出した性能を発揮する。いかりがまはサバイブギプスやヒーローマントで耐久を上げてダメカンを意図的に乗せる状況を作れれば400ダメージが現実的になる。
つまりこのカードは「刺さる対面に対してだけ強力なカード」として機能する。どの対面でも安定して戦える万能型ではないため、採用するなら苦手な対面と得意な対面を事前に整理しておくことが前提条件になる。相性の悪いカードを知っておくことは、このカードを採用するかどうかの判断そのものに直結する。20年以上ポケカをやっていても、4種のオーガポンの中でかまどのめんexが一番「扱いがわかるまで時間がかかった」という印象が残っている。強いときの爆発力は本物だが、その強さを引き出すための条件が最も多いカードだ。

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