オーガポンいどのめんexのワザ「げきりゅうポンプ」が決まった瞬間の爽快感は格別だ。バトル場に180ダメージを叩き込みながら、ベンチのビーダルやキルリアをちょうど120で沈める。相手のシステムポケモンが一瞬で消えて、盤面の空気が変わる。しかし同時に、このカードにはいくつかの明確な制約がある。げきりゅうポンプを撃つたびにエネルギーが山札に戻る、たねポケモンにはベンチ攻撃が刺さらない場合がある、マナフィ1枚で殺されることがある——使い込むほどにこれらの制約の重さを実感する。
いどのめんexデッキの弱点を生む構造
オーガポンいどのめんexの強い点は下技「げきりゅうポンプ」でベンチとバトル場両方にダメージを与えられる点だ。特にベンチのダメージは120とベンチ狙撃技の中でも高ダメージで、採用率の多いビーダルをちょうどきぜつさせることができる。技を使った後はエネルギーがデッキに戻るためすごいつりざお等の回収札の採用枚数を抑えることができる。
技の効果でエネルギーをデッキに戻す必要があるため技を使った次の番にエネルギーを用意するのが少し大変だ。次の番にエネルギーを用意しやすくするために大地の器は多めにデッキに採用した方がいい。基本的には対戦のラストのフィニッシャーとして使うのが一番いい。
弱点の構造は3軸になる。げきりゅうポンプのベンチ攻撃を遮断する、たねポケモン主体でベンチ狙撃が機能しない対面、エネルギーがデッキに戻るサイクルを干渉する——この3点を突いてくるカードが相性の悪いカードの核心だ。
マナフィ——げきりゅうポンプのベンチ攻撃を完全遮断する
なみのヴェールが水オーガポンの最大の強みを消す
マナフィはHP60のたねポケモンで、特性「なみのヴェール」でベンチポケモンへのワザのダメージを防ぐ。げきりゅうポンプのベンチへの120ダメージはワザの効果ではなくダメージそのものだが、なみのヴェールはワザのダメージを防ぐため遮断される。
このカード1枚が出てきた瞬間、げきりゅうポンプの価値が半減する。バトル場への180ダメージは通るが、ベンチへの同時攻撃が消える。システムポケモンを2体まとめて倒す計算が成立しなくなり、普通の180ダメージのワザになってしまう。
しかも水オーガポンを採用するデッキはパオジアンex軸が多いが、かがやくゲッコウガのげっこうしゅりけんもベンチ攻撃のため同様にマナフィで遮断される。マナフィが出てきた瞬間にベンチ狙撃プランが全部崩れる展開は、何度経験しても苦しい。
対処手段として、キャンセルコロンでマナフィの特性を無効化してからげきりゅうポンプを使う方法が有効だ。しかしキャンセルコロンを引けているかどうかが前提になる。シティリーグでパオジアンデッキに水オーガポンを採用していた試合、相手がマナフィを後攻1ターン目に置いてきた。キャンセルコロンが手になかった。げきりゅうポンプを使ってもバトル場にしか当たらず、ビーダルはそのまま残って相手のドローが止まらなかった。
重力玉——げきりゅうポンプのベンチ攻撃をもう一つの方法で防ぐ
そこを突いてワザを出せないポケモンを呼び出し、バトル場に固定することで自分が一方的に攻めるプランが有効だ。重力玉はベンチにダメージを与える手段を持ったデッキなら使用できるので、サーナイトexやロスト系のデッキなら採用を検討できる。
重力玉はついているポケモンの逃げエネルギーを2個増やす道具で、逃げられなくする運用とベンチ狙撃対策として機能する場面がある。べつのアプローチからげきりゅうポンプのベンチ攻撃を無力化するカードとして認識しておく必要がある。
雷タイプ弱点——いどのめんexのタイプが持つ構造的なリスク
いどのめんexは水タイプのためタイプ的な弱点は雷だ。HP210という数値は一般的なたねexポケモンの中では標準的だが、弱点倍率2倍を受けると実質的に大きく下がる。
タケルライコexやミライドンex系のデッキと対面すると、雷タイプのアタッカーから弱点を突かれる。タケルライコexのきょくらいごうが大量のエネルギーを背景に弱点ダメージを出してくると、HP210でも一撃できぜつする計算になる。
各タイプのオーガポンは自身のタイプのエネルギーが1つ必要になるので手張り用で特殊エネルギー、草オーガポンの特性で草エネルギーをつけた方が技の打ちやすくなる。草エネルギーで加速できるのでルミナスエネルギーのデメリットである特殊エネルギーが2つついていると無色エネルギーになる効果もそこまで響かないと思うので採用できるだろう。
雷タイプと対面するとき、いどのめんexをバトル場に長く置くのは危険だ。げきりゅうポンプを使うタイミングを絞り、一撃で仕事を終えてすぐ下がる動きが求められる。エネルギーがデッキに戻るため即座に逃げる選択肢が取りやすい点は、この対面での救いになる部分もある。
草タイプのポケモン——いどのめんexの弱点を突かれるパターン
水タイプの弱点は草タイプになる場合もあり、環境内で草タイプのアタッカーを持つデッキと対面すると弱点ダメージを受ける。ただしスタンダード環境で草タイプのメインアタッカーが多い時期は限られており、雷タイプほど頻繁に意識する場面は少ない。
一方で、みどりのめんオーガポンexを採用したデッキと対面したとき、仮にまんようしぐれで水オーガポンが狙われると草弱点が機能する場面がある。オーガポンデッキ同士の対面で、鬼の仮面を使ってどのオーガポンを出すかという判断に弱点の考慮が含まれてくる。
げきりゅうポンプ後のエネルギー回収コスト——次ターンの始動が遅れる
げきりゅうポンプは効果として3枚のエネルギーをデッキに戻す。これはトラッシュではなく山札に戻る点で優秀だが、次のターンにまた3枚を集め直す必要がある。大地の器でトラッシュからエネルギーを補充しながら手張りと合わせる、という準備が1ターンで完成しないことがある。
技の効果でエネルギーをデッキに戻す必要があるため技を使った次の番にエネルギーを用意するのが少し大変だ。次の番にエネルギーを用意しやすくするために大地の器は多めにデッキに採用した方がいい。
毎ターンげきりゅうポンプを連打する設計にはなっておらず、2回3回と連続して使う場面は限られる。みどりのまいでエネルギーを積み直してから次に備えるか、別のアタッカーで凌ぎながらエネルギーを集め直すかという判断が常につきまとう。
手札干渉でこの回収サイクルを断ち切られると、次のターンにいどのめんexが動けない状態が生まれる。ナンジャモで手札を2〜3枚に削られた直後に大地の器も草エネルギーも来ない、という場面は実戦で何度も訪れた。
たねポケモンが主軸のデッキ——ベンチ狙撃の標的がいない
げきりゅうポンプのベンチ120は主に進化ポケモンが盤面を支えているデッキに刺さる。ビーダル、キルリア、モコモコ、チラチーノ——これらHP120以下の進化1段階目のポケモンを倒すことで相手のシステムを崩す。
しかし相手がたねポケモンだけで戦うデッキの場合、ベンチにいるのはHP130以上のたねexが並ぶ状況になる。120ダメージでは倒せないポケモンが多く、ベンチ攻撃の恩恵が薄い。ミライドンexデッキのベンチはテツノカイナexやライコウVが並んでいることが多く、120ダメージで処理できるポケモンがほとんどいない。
そういった対面では、バトル場のポケモンに180ダメージを当てながら別のアタッカーで攻めるプランに切り替えるしかない。いどのめんexとしての役割が大きく縮小される場面だ。
採用枚数の少なさから来る事故リスク
他のオーガポンにも言えることだが、エネルギーの加速を草オーガポンに依存していて、鬼の仮面で入れ替えて出すことがスタンダードな流れになる。そのため対戦準備で場に出してしまうとエネルギーをつけるために1回鬼の仮面で入れ替えることが必要になってしまうので水オーガポンの採用枚数は1枚程度にしておいた方がいいだろう。
1枚採用が基本のためサイド落ちリスクが常に存在する。鬼の仮面を使うときに対象のいどのめんexがサイドに落ちていると、計画していたベンチ狙撃プランが崩れる。特にパオジアンデッキでのフィニッシャーとして採用している場合、終盤に取り出せないと詰めの一手が消える。
ヒスイのヘビーボールでサイド落ちを確認する習慣は、1枚採用のカードが多いデッキほど重要だ。いどのめんexが落ちていた場合、ゲームの後半戦のプランを組み替える必要がある。
実戦での失敗談と成功体験
マナフィに気づかずに的外れなワザを撃ち続けた試合
パオジアンexデッキにいどのめんexを採用して出たジムバトルで、相手がサーナイトexを使っていた。序盤はヘイルブレードで大きなポケモンを倒していたが、中盤にキルリアを2体まとめて処理しようとした瞬間——マナフィが相手のベンチに出ていた。げきりゅうポンプを使ったのにキルリアには何もダメージが入らず、エネルギーだけがデッキに戻った。次のターンにエネルギーが集まらず、別のアタッカーも準備できていない中途半端な状況になった。
帰り道に「あの瞬間にキャンセルコロンを使えばよかった」と気づいた。手には持っていたのに使い忘れた。マナフィの確認とキャンセルコロンの使いどころの判断は、このデッキを使う上で最も重要な確認事項として頭に刻み込んだ。
げきりゅうポンプで盤面を一気に崩した試合
うまく機能した対戦もある。ロストバレットと対面したとき、相手のベンチにキュワワー2体とヤミラミが並んでいた。前のターンにみどりのまいでエネルギーを積み、鬼の仮面でいどのめんexを出した瞬間に状況が整っていた。キャンセルコロンは必要なし、マナフィなし。げきりゅうポンプでウッウを倒しながらキュワワーに120を当てて1体きぜつ。相手のロストゾーンを積む手段が激減して、次のターンにサイドをもう2枚取って試合が決まった。
いどのめんexがはまるときの崩し方は本当に気持ちよく、あの試合の感触は今も残っている。相手のシステムが壊れた瞬間の沈黙と、一気に形勢が変わる展開——これが水オーガポンを採用したい最大の理由だ。
いどのめんex側が持つ対処手段
マナフィへの対処はキャンセルコロンで特性を消してからげきりゅうポンプを使う。雷弱点のリスクには、ノコッチで弱点を消すか、雷タイプ相手にはいどのめんexをバトル場に長く置かない運用で対応する。エネルギー回収の遅さには大地の器を多めに採用して手札に常にエネルギーを準備しておく、という対策がある。
水タイプのベンチ狙撃できるポケモンにかがやくゲッコウガがいるが、ゲッコウガは合計180ダメージで水オーガポンは合計220ダメージと、トータルで与えるダメージが優っているので差別化できるだろう。
げっこうしゅりけんとの比較で合計220というダメージ優位性は明確な強みで、HP120のシステムポケモンを倒しながらバトル場に180を通す計算が成立するときのいどのめんexの破壊力は格別だ。その強みを活かせる対面とそうでない対面を事前に整理しておくことが、このカードを採用するかどうかの最初の判断基準になる。相性の悪いカードを把握しておくほど、鬼の仮面を使うタイミングの精度が上がり、このデッキの面白さが深く味わえる。

コメント