トドロクツキexと対面するたびに思うことがある。「くるいえぐる」を使われた瞬間、場のどんなポケモンが消える。HP関係なく、問答無用で強制きぜつ。初めてこれをくらったとき、「ポケカにこんなワザが存在するのか」と目を疑った。しかし長くポケカを続けているうちに、このカードにもちゃんと弱点があることが見えてくる。暴力的に強いワザを持ちながら、特定のカードに対してはあっけなく機能不全になる。そのギャップが、このデッキを使う側にとっても戦う側にとっても、深く理解する価値がある。
トドロクツキexの性能と弱点の構造
トドロクツキexのワザ「くるいえぐる」は相手のバトルポケモンを強制きぜつさせられるが、使った後このポケモンに200ダメージが入る。HP230のトドロクツキexに200ダメージが乗るとHP30しか残らず、返しに高確率で倒されてしまう。
ワザ「カラミティストーム」は素点100ダメージで、スタジアムをトラッシュすることで120ダメージ追加して合計220ダメージを与えられる強力なワザだ。
この2つのワザの性質を理解すると、弱点の構造が見えてくる。くるいえぐるの強制きぜつを無効化する、カラミティストームの打点条件であるスタジアムを与えない、くるいえぐる後のHP30を確実に狩る——この3軸が相性の悪いカードの核心だ。
ミストエネルギー——くるいえぐるを根本から無効化する
強制きぜつの「効果」を受けない設計が致命的
ミストエネルギーをつけていれば相手のワザの効果を受けなくなるので、くるいえぐるの気絶させる効果を無効化できる。これで相手はカラミティストームを使うしかなくなるが、ダメージを上げるためには毎ターンスタジアムをトラッシュしなければならず、相手にとって大きな負担になる。
相手のバトルポケモンにミストエネルギーがつくと、トドロクツキexのワザ「くるいえぐる」が無効化されてしまう。そのためミストエネルギー対策として改造ハンマーが採用される。
くるいえぐるはダメージを与えるワザではなく「きぜつさせる効果」のワザだ。ここが重要で、ミストエネルギーはワザの効果を受けなくするため、強制きぜつという「効果」そのものをシャットアウトできる。トドロクツキex側は改造ハンマーでミストエネルギーを剥がす対策を持っているが、それが引けないと完全に詰む。
あるジムバトルで相手のポケモンにミストエネルギーがついているのを見落とし、くるいえぐるを宣言してしまったことがある。効果が通らず、こちらのトドロクツキexにだけ200ダメージが入って返しに倒された。文字通り「自分だけが死ぬ」という最悪の展開で、あの無駄死にの苦さは今でも忘れられない。改造ハンマーの有無を確認してからくるいえぐるを宣言する習慣は、あの試合で完全に刻み込まれた。
タケルライコex——高HPと高打点で詰め切れない対面
HP240の壁とエネルギー加速力の差
トドロクツキexデッキはタケルライコexデッキと相性が悪い。トドロクツキexのカラミティストームでは倒しきれず、どくの1ターンキルコンボも刺さりにくい。
2進化デッキに対しての相性は悪い。ただしシェア率ダントツ1位を誇るタケルライコexに対して強く出れるため、タケルライコexが環境の中心にいる限りトドロクツキの生存権は否定されない、という複雑な立ち位置にある。
タケルライコexのHP240はカラミティストームの220を耐える。ブーストエナジー古代でHP290になったトドロクツキexでもワンパンが難しく、相手のきょくらいごうは毎ターン青天井のダメージを叩き込んでくる。くるいえぐるで強制きぜつを狙うのが最善手だが、その後HP30で返しを受ける展開になると、タケルライコexの次の攻撃をまともに食らって連続で倒される。
先にサイドを2枚取られてしまった場合は非常に苦しいが、ジャッジマンで相手がアタッカーを用意できない展開を願いながら、古代カテゴリのカードをたくさんトラッシュしてトドロクツキの「あだうちやばね」でたねのポケモンVやポケモンexをきぜつさせることも有効だ。
プレイングで解決できる部分もゼロではないが、相性的な不利は否めない対面だ。
2進化デッキ——序盤の強さが活きにくいマッチアップ
テンポを合わせられると息切れする
2進化デッキに対しての相性は悪い。
トドロクツキexデッキの強みは後攻1ターン目から仕掛けられる速度にある。2進化デッキは序盤に進化ラインを展開する時間がかかるため、その時間帯にくるいえぐるで相手のポケモンを次々倒してテンポを奪うのが理想の展開だ。
しかし2進化デッキが丁寧に立ち上がりを乗り切ると、セグレイブやサーナイトexのような高火力・高耐久なアタッカーが完成する。この状態になったら、トドロクツキex側はくるいえぐる連打でサイドを取り続けるしかないが、毎回HP30で返しを受けることになる。連続でトドロクツキexが消費されていき、5体目6体目が用意できなくなった瞬間にゲームが終わる。
HP30の脆さを突くカード群——くるいえぐる後の返しが致命的
自傷200ダメージの後を狩る対策
ワザ「くるいえぐる」を使った後HP30しか残らないため、返しに高確率で倒されてしまう。
この性質を利用した対策として、あえてHP30のトドロクツキexをバトル場に残させたまま、ベンチ狙撃のポケモンで処理する手段が機能する。
残りHP30のトドロクツキexをあえてバトル場に残して、ヤミラミやベンチ狙撃ポケモンで攻めれば鬱陶しい状況になる。アマージョexのワザ「アイシクルソール」を使えば自分から相手のHPを30にすることも可能で、トドロクツキex以外のデッキとも強く戦える。
トドロクツキexがくるいえぐる後にポケモンいれかえやモモワロウexで後退できない状況を作り、HP30のまま縛り続ける動きが実戦でも有効に機能する。こちらが入れ替えカードを持っていない状況で相手がこの戦術を取ってきたとき、選択肢が一気に狭まる感覚は使っていると何度も味わうことになる。
スタジアムを置かない戦術——カラミティストームの打点を素点に固定する
相手がスタジアムを使えない構成にする
トドロクツキexのワザ「カラミティストーム」の打点を抑えるため、むやみにスタジアムを設置しないようにしよう。カラミティストームはスタジアムをトラッシュすることで打点が+120できる強力なワザなので、相手にスタジアムを与えなければ素点100ダメージに抑えられる。
カラミティストームの220ダメージはスタジアムが場にある前提での数字だ。スタジアムが存在しない状況では100ダメージにとどまり、多くのVSTARやexポケモンを一撃で倒せない。この100と220の差は途轍もなく大きく、スタジアムを出さないだけでトドロクツキexの攻撃力を半分以下に抑えられる。
ただしトドロクツキexデッキはポケストップを大量に採用しているため、自分でスタジアムを張りながらカラミティストームで同時にトラッシュするというセルフ完結の動きを持っている。完全にスタジアムを管理しきるのは難しく、タイミングのズレを狙う必要がある。
草弱点——テツノイサハexによるワンパン
テツノイサハexはトドロクツキex対策として切り札になれるカードだ。弱点を突いてトドロクツキexをワンパンできる上に、特性によって出してすぐ攻撃が可能になるため、一瞬で形勢を逆転できる。場に草エネルギーが見えた瞬間、相手はテツノイサハexを警戒せざるを得なくなるので、大きなプレッシャーを与えられる。
草タイプが弱点であることがトドロクツキexの弱みのひとつだ。
草弱点を持つため、草タイプのアタッカーに2倍ダメージを受ける。テツノイサハexが場に出てきた瞬間の「嫌な予感」は、トドロクツキexを使っていると必ず経験する感覚だ。ブーストエナジー古代を装備してHP290にしても、弱点倍率で計算されると話が変わる。草エネルギーが相手のベンチ周辺に見えた瞬間から、動き方を意識的に変える必要が出てくる。
オーリム博士の気迫の枯渇——エンジンが切れたら止まるデッキ
サポート依存が高い構造の根本的な脆さ
デッキのキーカードであるオーリム博士の気迫が重要になる。序盤に使いすぎたり、ポケストップ等でトラッシュにいってしまったりして、終盤に使えなくて負けてしまうパターンがある。
基本は毎ターンオーリム博士の気迫を使用しながらトドロクツキを2体加速し、最終的にトドロクツキを3体作ることを目標にしてデッキを回していく。
トドロクツキexはエネルギーを3枚要求するワザを持ち、毎ターンオーリム博士の気迫でエネルギーを供給し続けることが前提の動きになる。デッキに4枚しか入っていないこのサポートが枯渇したり、ポケストップの効果で誤ってトラッシュに落ちたりすると、急激に失速する。
これを突く最もシンプルな対策が手札干渉だ。先にサイドを2枚取られてしまった場合は非常に苦しく、ジャッジマンで相手がアタッカーを用意できない展開を願いながら戦うことになる。
終盤にナンジャモやアンフェアスタンプで手札を削られてオーリム博士の気迫が引けないターンが続くと、トドロクツキexへのエネルギー供給が途絶えて攻撃できなくなる。手札干渉への耐性はこのデッキが持つ根本的な弱さで、対戦慣れしたプレイヤーはここを狙ってくる。
非ルール主体デッキ——エネルギー消費に対してサイドが見合わない
パオジアンexデッキのようにエネルギーをトラッシュに送るデッキが、倒してもサイドを1枚しか取れない非ルールデッキと対面するとエネルギーが枯渇する可能性がある。
くるいえぐるはどんなに高HPのポケモンでも強制きぜつさせられる点が強みだが、非ルールポケモンを倒してもサイドは1枚しか取れない。毎ターンエネルギーを3枚消費しながら攻撃し続けて、取れるサイドが1枚ずつという展開は、エネルギーの減りに対して得るサイドが少なすぎる。オーリム博士の気迫は4枚しかなく、エネルギーの供給には限界がある。長期戦になればなるほど、エネルギーが底をつく方向へ向かう。
ブーストエナジー古代を剥がす手段——装備を外されると耐久が落ちる
ブーストエナジー古代をつけている古代のポケモンは最大HPが+60され、特殊状態にならず受けている特殊状態は全て回復する。
HP290になったトドロクツキexはかなり打たれ強い。だがロストスイーパーやはたきおとすなどでブーストエナジー古代を剥がされると、HP230のトドロクツキexに戻る。さらにモモワロウexのしはいのくさりでバトル場に出た場合、ブーストエナジー古代がなければ毒状態になり、毎ターン10ダメカンが蓄積していく。くるいえぐる後のHP30に毒ダメージが重なると、バトル場にいるだけで次のターンに自然消滅するという事態になる。道具を剥がしてから攻める、というシンプルながら確実な対策が機能する場面は実戦でも多い。
失敗談と実戦で学んだこと
ミストエネルギーを無視して突っ込んだ話
シティリーグの予選で、相手のポケモンにミストエネルギーがついているのに気づかないままくるいえぐるを宣言した試合がある。エネルギーは3枚使って宣言したのに、相手のポケモンは平然と生き残り、こちらのトドロクツキexにだけ200ダメージが乗った。次のターン、HP30のトドロクツキexはあっさり倒されてサイドを2枚取られた。その試合は終盤まで粘ったが、サイドレースを追いつけずに敗北した。
改造ハンマーを手に握っていたのに、使う前に宣言してしまったのが敗因だった。確認の順番——相手のポケモンについているエネルギーと道具を見てから行動する、という基本動作の重要さをあの試合で思い知った。
ポケストップの枚数を読んで戦術を切り替えた試合
逆に上手くいった対戦もある。相手がトドロクツキexを使っていて、序盤にポケストップを4枚使い切っているのを確認できた。カラミティストームで使うスタジアムが残り少ないと判断して、自分のデッキからロストスイーパーで相手のスタジアムを除去し続けた。相手のカラミティストームは素点100ダメージしか出せない状況になり、こちらのアタッカーが倒されないまま攻撃を続けられた。スタジアムの残り枚数を把握するだけで、カラミティストームの火力を大幅に制限できることを実感した対戦だった。
トドロクツキex側が持つ対処手段
これだけの相性の悪いカードが存在しながらも、このデッキが環境で生き残り続ける理由は対処手段が組み込まれているからだ。
ミストエネルギー対策として改造ハンマーが採用される。また相手のくるいえぐる後のHP30を一撃で仕留めるために、かがやくフーディンでダメカンを移動させる動きを組み込んでいるデッキもある。
シェア率を徐々に伸ばしているカビゴンLOに対して勝率100パーセント近い。モモワロウexの特性「しはいのくさり」の効果でカビゴン側がポケモンをバトル場に縛れず、くるいえぐるでミミッキュ突破が可能なためだ。
得意な対面では圧倒的な強さを見せるが、苦手な対面では独特の脆さが出る——この二面性がトドロクツキexというデッキの本質だと感じている。大会に持ち込む際には環境にミストエネルギー採用デッキがどれだけいるか、2進化デッキとどのくらい当たりそうかを見極めることが、このデッキで結果を出すための最初の仕事になる。

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