ジムバトルで古代バレットを握って順調に勝ち続けていたとき、突然ポケモンリーグ本部を貼られた。コライドンにエネルギーが1枚しかついていない状態で、ワザを撃つのに2エネ必要になった。「あれ、手張りだけじゃ足りない」と気づいた瞬間、場にいる古代ポケモン全員が急に硬直した感じになった。結局そのターンはオーリム博士の気迫を使って2枚加速してどうにかなったが、そのテンポロスが後に響いて逆転負け。「このデッキって全員たねだから、ここが本当の急所なんだ」と実感したのはあの試合だった。
古代バレットの強さと弱点が表裏一体になっている構造
まず、なぜこのデッキにこれほど刺さるカードが生まれるのかを整理しておきたい。
古代バレットは古代のカテゴリを持つトドロクツキやハバタクカミを使い分けるバレット戦略が得意なデッキだ。ルールを持たないポケモンを中心に戦うので、サイドを一気に取られづらい強みがある。
古代バレットというデッキ名から想像するに相手のデッキタイプに合わせた戦い方に見えるが、実際はほとんどトドロクツキで戦う。トドロクツキ以外のポケモンを場に出すと基本的にそれはトラッシュに送れないカードとなり、ワザ「あだうちやばね」のダメージを下げてしまうことが原因だ。
古代バレットデッキは山札を引く特性を持つポケモンが少なく、手札補充はオーリム博士の気迫や探検家の先導に頼っているが、引ける枚数は多くない。
つまりこのデッキの弱点の構造は3本の柱になっている。全員たねポケモンであること、オーリム博士の気迫に強く依存していること、そしてあだうちやばねの火力がトラッシュの古代カード枚数に依存していること——この3点のどれかを突いてくるカードが、そのまま相性の悪いカードになる。
ポケモンリーグ本部——たね全員のエネルギー要求を1個増やす
このデッキにだけ特別に重い理由
古代バレットデッキにはたねポケモンのアタッカーしかいないため効果は絶大だ。主なアタッカーのコライドンやトドロクツキは、通常なら手貼り+オーリム博士の気迫ですぐに攻撃できるが、ポケモンリーグ本部があると攻撃を1ターン遅らせることができる。
このデッキはオーリム博士の気迫でトラッシュから基本エネルギーを2枚まで古代ポケモンに供給して、手張り1枚と合わせてワザを動かす計算になっている。この計算がポケモンリーグ本部の登場で1枚狂う。
コライドンのげんせいらんだは無色2エネ、トドロクツキのあだうちやばねは悪2エネで動く。本来であればオーリム博士の気迫1枚で2枚加速できれば手張りなしでも撃てるのに、本部が貼られると3エネ必要になる。手張りを毎ターン確実に引ける保証はなく、引けないターンに攻撃できないまま番を渡す展開が生まれる。
毎ターン、オーリム博士の気迫+手張りでエネルギー要求を満たしているデッキなので、要求エネを増やすのは相当刺さる。
ポケモンリーグ本部への対処手段として、カラミティストームを使ってスタジアムを破壊する動きが有効になるが、それには悪エネを3枚消費する必要がある。本部を剥がすためにリソースを余分に使わされる、という消耗が試合を通じて積み重なっていく。
オンバーンex——たねからのワザダメージをまるごと無効化する
おんみつひこうが古代バレットにとってほぼ詰みの理由
オンバーンexのワザ「おんみつひこう」を使えば次の番たねポケモンからワザのダメージを受けなくなる。これにより、たねポケモンしか採用されていない古代バレットはほぼ詰みと言って良い状況になる。
たねポケモンしかいない古代バレットデッキにとっては天敵とも言える存在だ。ボスの指令などでバトル場から離れるとおんみつひこうの効果はなくなってしまうので、ベンチに無駄なポケモンを置かないように気をつけよう。ただし、おんみつひこうはワザのダメージだけを防ぐので、トドロクツキexのワザ「くるいえぐる」の気絶効果は無効化できない。万が一に備えてミストエネルギーも採用すれば対策は万全だ。
古代バレット側の全アタッカーがたねポケモンで構成されているため、おんみつひこうの一発でその番すべてのワザが無意味になる。コライドンでもトドロクツキでもチヲハウハネでも、全員がオンバーンexに攻撃できない。しかもオンバーンex自身はこちらの攻撃を受けない翌ターンにこちらに攻撃してくる。完全に一方的なターンを作られてしまう。
オンバーンexは下ワザの「ドミネートエコー」も優秀で、スタジアムや特殊エネルギーを封じることもできる。
おんみつひこうで攻撃できないだけでなく、ドミネートエコーでポケストップも封じられてしまうと、デッキの回転まで止まる。ポケストップは古代バレットにとって古代カードをトラッシュに送りながらグッズをサーチする命綱のスタジアムで、これが機能しなくなるとトドロクツキのあだうちやばねの火力が伸びなくなる。
対処策として、プライムキャッチャーやボスの指令でオンバーンexをベンチに引きずり出し、おんみつひこうの効果をリセットしてから攻撃するしかない。ただし引き出してもまたバトル場に戻ってきておんみつひこうを使われる、という繰り返しになると、この対面はかなり消耗戦になる。
悪テラスタルリザードンex——HP330という火力の天井を超えられない壁
あだうちやばねの打点上限と高HPの絶望的な相性
古代バレットデッキは悪テラスタルリザードンexデッキと相性が悪い。古代バレットデッキは「トドロクツキ」のワザ「あだうちやばね」で攻撃するデッキだが、ダメージを増やすためにトラッシュに古代カードがたまっている必要がある。HP220のポケモンが相手なら、トラッシュに「古代」のカードが15枚あれば倒せる。しかし、HPが330もある「悪リザードンex」を「あだうちやばね」で倒すには、トラッシュに「古代」のカードが26枚なければ倒せない。
これが非常に大きな問題で、デッキに入っている古代カードの総数はせいぜい40〜45枚程度。そのうちの26枚をトラッシュに落とすということは、山札がほとんど空になるまで掘り進めてようやく届くかどうかという計算になる。現実的に試合の途中でこれを達成するのは極めて難しい。
トドロクツキの「あだうちやばね」は、トラッシュに古代のカードがある程火力が増す。序盤からでも200ダメージ以上出せるが、終盤になると300ダメージ以上出せるので悪リザードンexやポケモンexをワンパンする事が出来る。
終盤に達すれば届くことがある、とはいえリザードンexは炎エネルギーの枚数だけ打点が上がる仕様のため、自然とダメージが増えていく。こちらが300を出せるようになったころには相手も330以上のダメージを叩き込んでくる可能性がある。このデッキに対しては真正面から殴り合うより、ヒトカゲやイキリンコexのような低HPのシステムポケモンを呼び出してサイドを稼ぐ横方向の立ち回りが現実的になる。
手札干渉——オーリム博士の気迫が引けないと攻撃できない
ドローが薄いデッキの構造的な脆さを直撃する
手札干渉を受けると立て直すのにかなり苦労する。オーリム博士の気迫が引けなければエネ加速もできないため、攻撃すらなく番が返ってくることもある。終盤でのナンジャモやツツジは積極的に狙っていこう。
相手もそれを防ぐためにともだちてちょうで山札のサポートカードの濃度を上げてくるが、その前にビワでトラッシュできればさらに効果的だ。ついでに覚醒のドラムもトラッシュできれば言う事なしだ。
このデッキは特性でドローする手段が薄く、山を掘る主な手段はポケストップか探検家の先導、オーリム博士の気迫の3枚ドローくらいしかない。サポートを使うことでしか手札が増えない状況で、そのサポートを手札干渉で弾かれると一気に詰まる。
特にビワとナンジャモの組み合わせが凶悪で、ビワでオーリム博士の気迫を手札から落とされてから、ナンジャモで手札を2〜3枚に削られると、次のターンに攻撃できる体制を取り戻すのがかなり難しくなる。ともだちてちょうで山に戻すことが対策になるが、それが間に合うかどうかはタイミング次第だ。
実戦での話をすると、シティリーグで相手がナンジャモを3ターン連続で打ち続けてきた試合があった。毎ターン手札が3枚以下になり、オーリム博士の気迫が2ターン連続で引けない状態になった。エネルギーが1枚しかつかないまま2ターンが過ぎ、その間に相手はしっかり準備を整えてきた。あの試合以来、ともだちてちょうを意識的に早めに使い切らずに温存するプレイングに変えた。
ポケモンリーグ本部+手札干渉の複合——動きが二重に止まる
両方が重なったとき、このデッキは本当に何もできなくなる。エネルギー要求を1個増やされた状態で、オーリム博士の気迫も手札から消えていたら攻撃の手段がゼロになる。
このデッキはかなり特殊で、どのデッキとマッチアップしたとしても同じ回し方をする。先に逃げきって勝つのがこのデッキの戦い方だ。
逃げ切り型のデッキにとって、序盤にテンポを失うことは後半に取り返せないサイド差に直結する。複合的な妨害を受けたときの立て直し手段が限られている点が、古代バレットの根本的な脆さだ。探検家の先導で山を掘り進めながら次のオーリム博士の気迫を引き込む動きが最善策になるが、それが引けるかどうかは運に左右される。
イダイナキバLO——長期戦を強制するコントロール対面
古代バレットが不利なデッキは殆どなく、イダイナキバLOくらいだ。
「タケルライコex」や「ミライドンex」デッキなど、たねポケモン主軸で構成しているデッキであれば、ある程度「古代」のカードがトラッシュに貯まれば「あだうちやばね」で倒せる。
イダイナキバを用いたライブラリーアウト戦略は、山札を削ることで相手をデッキ切れにさせることを狙う。古代バレットはポケストップや探検家の先導で積極的に山を掘る設計のため、意図せず山が減っていくスピードが速い。この性質がLO戦略に正面から刺さってしまう。
ただし、古代バレット側にもじばんほうかいという山削りカードが採用されている場合があり、相手の山を先に削り切る展開を狙う形での対抗策は存在する。それができるかどうかは構築次第で、デッキを組む段階から意識しておく必要がある。
ミストエネルギー——トドロクツキexとの組み合わせで強制きぜつが止まる
古代バレットにはトドロクツキexを1枚採用しているリストも多く、くるいえぐるによる強制きぜつが終盤の決定打になる場面がある。しかしこれに対してミストエネルギーが貼られると、効果が無効化されてしまう。
おんみつひこうはワザのダメージだけを防ぐので、トドロクツキexのワザ「くるいえぐる」の気絶効果は無効化できない。万が一に備えてミストエネルギーも採用すれば対策は万全だ。
ミストエネルギーはおんみつひこうでは防げないくるいえぐるを止める手段として機能する。古代バレット側はくるいえぐるが通らない状況ではカラミティストームを選択するが、スタジアムがない状態では220に届かない。この状況でミストエネルギーとポケモンリーグ本部が同時に機能していると、火力と速度の両方が封じられる。
HPの高い耐久型ポケモン全般——あだうちやばねの青天井に制限がある
あだうちやばねは青天井ワザだが、火力を上げるにはトラッシュへの古代カードの蓄積が必要で、序盤は打点が出にくい。
トドロクツキの「あだうちやばね」はトラッシュに古代カードが10枚あると170ダメージ、20枚で270ダメージになる。
序盤の弱い時間帯にHP290以上のポケモンを前面に出してこられると、倒し切れないまま返しにダメージを受け続ける。試合の序盤に壁として使われる高HP耐久ポケモンは古代バレット側の速度を殺す役割を果たし、その間にエネルギーを整えた大型アタッカーが完成してしまう。
古代バレット側が持つ対処手段
古代バレットが不利なデッキは殆どない。今はそこまで注目されておらず、メタデッキもいないのでかなり敵なしだ。
実際、多くの対面には有利に立ち回れるデッキで、環境上位に居続けてきた理由はここにある。
古代バレットには、トドロクツキ以外にも採用できる古代を持ったポケモンの種類が豊富だ。テツノカイナexの弱点を突けるサブアタッカーとして、チヲハウハネやイダイナキバがおすすめだ。
古代バレットデッキの1ターン目はハバタクカミをバトル場に出すのがおすすめだ。ハバタクカミがバトル場にいると、相手バトルポケモンの特性をなくせるのでテンポを遅らせられる。
ポケモンリーグ本部に対してはカラミティストームで剥がす、オンバーンexに対してはプライムキャッチャーで引きずり出す、手札干渉に対してはともだちてちょうで山のサポート濃度を維持する——これらが実戦的な対処の軸になる。
失敗から学んだ実体験
ポケモンリーグ本部を甘く見た試合
ルギアデッキと対戦した試合で、相手が序盤にポケモンリーグ本部を貼ってきた。「本部さえ剥がせばいい」と安易に考えてカラミティストームでトラッシュしたが、次のターンにまた張り替えてきた。合計3回張り替えられて、そのたびにカラミティストームを使い続けた結果、エネルギーを消費するだけでサイドが取れない時間が続いた。その間に相手がアーケオスを2体展開してプライマルターボが動き始め、あっという間にサイドを先取された。
本部への対処としてロストスイーパーを引けている状態だったなら、サポート権をオーリム博士の気迫に使いながらスタジアムを剥がせた。グッズで対処できるカードの有無が、本部との対面での消耗の差になることを学んだ試合だった。
オンバーンexをプライムキャッチャーで引き出して勝った試合
逆にうまくいった対面もある。相手のオンバーンexがバトル場に居座ってきたが、手元にプライムキャッチャーがあった。ベンチのイキリンコexをバトル場に引きずり出してあだうちやばねで倒し、サイドを2枚取った。オンバーンexがベンチに戻った間にトドロクツキで一気に攻撃して主導権を取り戻せた。
おんみつひこうはあくまでバトル場にいるときの効果だ。呼び出す手段さえあれば対処できる。この試合以来、オンバーンexを見た瞬間に「プライムキャッチャーはどこにある?」を最初に確認するようになった。相性の悪いカードを知っていると、対処の優先順位が一瞬で頭に浮かぶ。それが勝率を底上げする、一番地味で一番確実な準備だと思っている。

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