未来バレットと古代バレットを並べて語られることが多いが、使ってみると両者の感触はかなり違う。古代バレットはトドロクツキという絶対的な軸があって、そこにすべてが収束していく。未来バレットは違う。テツノカイナex、テツノブジンex、テツノイサハex——複数のアタッカーが状況に応じて役割を分担しながら動く。その柔軟さが強みであると同時に、「何で攻めればいいかわからない」という迷いが生まれやすいデッキでもある。大会でこのデッキを使い続けてきた経験から言うと、相性の悪いカードへの理解が他のデッキより対策への影響が大きい。
未来バレットの弱点を生み出す構造
未来バレットは未来ポケモンのミライドンでエネルギー加速し、相手のポケモンに合わせて攻撃していくデッキだ。テツノカイナexのワザ「ごっつぁんプリファイ」でサイドを1枚多くとる効果が強く、タイプが弱点のシステムポケモンが多く、狙えるタイミングがあれば一気にサイド3枚取りも可能だ。
未来バレットが現在の環境で課題を抱えているのは、明確に強いアタッカーが定まっていない点と、古代バレットと比較してサポートカードのパワーが低く、デッキのシステム部分も定まっていないことだ。特にテツノカイナexは4エネ必要でミライドンのエネ加速と噛み合いが悪い。
弱点の軸は3つに整理できる。ドロー手段が少ないこと、たねexを使うためサイドを2枚ずつ取られやすいこと、そしてエネルギー要求が多いアタッカーが多いこと。この3点に刺さるカードが、そのまま相性の悪いカードになる。
古代バレット——非エクに対してサイドレースが成立しない
なぜ非エクに弱いのか
不利なデッキとして古代バレットとリザードンが挙げられている。
古代バレットのメインアタッカーであるトドロクツキは非ルールポケモンで、倒されてもサイドを1枚しか取られない。一方でこちらの未来バレットはテツノカイナex、テツノブジンex、テツノイサハexといったexポケモンが主軸のため、倒されると2枚ずつサイドが取られる。
テツノカイナexとのサイドレースについて言えば、未来バレット側がたねexポケモンを倒されるとサイドを2枚取られてしまう一方、古代バレット側の非エクポケモンを倒しても1枚しか取れない。この非対称なサイド交換が積み重なると取り返しがつかなくなる。
たとえ火力で上回っていても、取れるサイドの枚数に差がある対面では終盤に逆転されることがある。古代バレット対面では、できる限りexアタッカーが倒されないような盤面管理が求められるが、そもそも古代バレットの攻撃力が高いため、避け続けること自体が難しい。
古代バレット対面での実体験
シティリーグの予選でこの対面に当たったことがある。テツノカイナexでコライドンを次々倒していたが、相手のトドロクツキは倒すたびにサイド1枚しか入らない。3体倒してサイドを3枚取った時点で、こちらはテツノカイナexが倒されてサイドを4枚取られていた。気づいたら相手がサイド2枚、こちらがサイド4枚の状況になっていた。結局逆転できずに試合終了。非エクを並べてじわじわサイドを稼がれる展開は、未来バレット側にとって本当に苦しい。
ポケモンリーグ本部——たねexのエネルギー要求を一段上げる
テツノカイナexの4エネ要求がさらに重くなる
ポケモンリーグ本部はお互いのたねポケモンのワザのエネルギー要求を1個増やす。未来バレットは全員たねポケモンで構成されているため、全アタッカーが影響を受ける。
テツノカイナexのごっつぁんプリファイは元から4エネ必要で、これが最もきついアタッカーだ。ミライドンのアクセルピークで2枚加速しながら手張りを組み合わせてどうにか起動していたところに、本部が出ると1枚余分な要求が生まれる。アクセルピークはベンチポケモン2体に山札から基本エネルギーを1枚ずつつけるワザなので、1枚多く用意しようとすると別の手段が必要になり、行動が1ターン遅れる。
毎ターン、ミライドンのアクセルピーク+手張りでエネルギー要求を満たしているデッキなので、要求エネを増やすのは相当刺さる。
テツノブジンexのレーザーブレードは超・無・無の3エネで動くため、元の要求が低い分まだ対処しやすい。しかしテツノカイナexを起動したいターンに本部が出てくると、その番のプランがほぼ崩れる。ロストスイーパーや自分のポケモンのワザでスタジアムを剥がせるかどうかが、この対面の分岐点になる。
手札干渉——ドロー手段が薄いデッキの急所
オーリム博士の気迫がない未来側の脆さ
未来デッキは山札を引く性能が低い。そこでジャッジマンで一緒にグダグダになってもらうべく採用する構成もある。テツノイワオとも好相性だ。
古代バレットにはオーリム博士の気迫という専用のドロー+加速サポートがある。未来バレットにはそれがない。アカマツというエネルギーをつけるサポートはあるが、純粋にドロー枚数を増やすサポートとしては博士の研究やナンジャモに頼ることになる。
この薄さが手札干渉に対して直接影響する。ナンジャモで手札を3枚に削られてから番が回ってくると、アタッカーへのエネルギー供給手段を引けないままターンを渡すことが起きやすい。古代バレットがオーリム博士の気迫で強引に動けるのと対照的に、未来バレットは引けたカードで動くしかない受け身な場面が生まれやすい。
対策としてジャッジマンを自分のデッキにも採用して、相手が手札を整える前に互いにグダらせる、という発想の構成が存在するが、自分のドロー能力も下がるリスクは変わらない。
リザードンex——2進化デッキへの介入が難しい
不利なデッキとしてリザードンが挙げられている。
リザードンexデッキは2進化ポケモンが主軸のため、倒されるとサイドを2枚取られるのはこちらも同じだが、ピジョットexというサーチエンジンを持つ安定した構成が多い。火力も高く、ブーストエナジー古代を持たない未来バレットのアタッカーたちは比較的倒されやすい。
さらに進化前のヒトカゲやリザードを倒してリザードンexに進化させない、という介入戦略を取ろうにも、未来バレットは1ターン目から積極的な攻撃ができる反面、ベンチへの精密な攻撃手段が少ない。テツノカイナexのごっつぁんプリファイはベンチのシステムポケモンを倒してサイドを余分に取る動きだが、進化前を狙うよりバトル場を倒してサイドを取り続けるほうが効率的なことが多い。
この対面では速攻でサイドを取り切ることが最善策で、リザードonexが完成する前にリードを作ることを優先する。
テツノカイナexの弱点——自デッキの主力が闘弱点を持つ矛盾
未来バレットのエースアタッカーのひとつ、テツノカイナexは雷タイプで闘弱点を持つ。闘タイプを主軸にしたデッキや、闘エネルギーを持つサブアタッカーを採用したデッキに対面すると、弱点倍率2倍のダメージを受けてテツノカイナexが思いがけず早く倒される。
テツノカイナexの弱点は闘タイプであり、弱点をついて倒すことができる。
テツノカイナexがサイド2枚の対象であることと合わせて、弱点で倒されるとサイドレースが一気に傾く。このデッキを使う際、相手の構成に闘タイプが見えたらテツノカイナex以外のアタッカーを優先する判断が求められる。テツノブジンexやテツノイサハexに役割を切り替えられるかどうかがプレイングの質を分ける。
テツノイバラex——自分で採用していても相手への恩恵がある諸刃の剣
未来バレットにはテツノイバラexを採用した型がある。バトル場にいる間、お互いのルール持ちポケモンの特性を封じる特性を持つため、ゲノセクトVのフュージョンシステムやネオラントVのルミナスサインを止める強力な妨害カードだ。
ただし、テツノイバラex自身もルールを持つexポケモンのため、相手が同様の特性封じを持つカードを使ってくると逆に自分の特性が止まる。また、テツノイバラexの特性はお互いの場のルール持ちポケモンに影響するため、自分のデッキ内の他のexポケモンの特性も封じてしまうことがある。採用する際は自分のデッキ内での影響範囲を把握しておく必要がある。
相手のルール持ちポケモンの特性を止めることができるテツノイバラexを採用できるのが未来バレットの強みだ。
イダイナキバLO——長期戦でリソースが枯渇する
ブーストエナジー付きのイダイナキバを制限なしでワンパンできるカードが未来バレットにとってのメタカードになりうる。対策しないとイダイナキバLOがかなりきつくなる。
イダイナキバLOはライブラリーアウトを狙うコントロールデッキで、山札を削ることで試合を勝ちにいく。未来バレットはドロー手段が多くないデッキだが、それでも試合を通じて山を掘り進めていく。LO戦略に対しては速攻でサイドを取り切るしかないが、イダイナキバ自体のHPとブーストエナジー古代で強化されたときの耐久は簡単に乗り越えられない。
ブーストエナジー古代を貼られたイダイナキバはHPが大幅に上昇するため、通常の攻撃では倒せないケースが出てくる。テツノイサハexの草タイプワザで弱点を突けるかどうかが、この対面での分岐点になる。
ゴッツぁんプリファイへの対策カード——テツノカイナexが機能しなくなる
ごっつぁんプリファイは非エクポケモンを倒した際にサイドを1枚余分に取れる効果だ。未来バレットにとってこの動きが決まるかどうかで、サイドレースの効率が大きく変わる。しかしこれへの対策カードが環境に存在する。
逃げエネ0のポケモンや入れ替えカードを多用するデッキは、バトル場に引きずり出したシステムポケモンを即座に退場させてごっつぁんプリファイの追加サイド取りを阻止できる。また、マナフィをベンチに置かれているとベンチへの攻撃が封じられるため、ごっつぁんプリファイのターゲットをバトル場に固定せざるを得なくなる。
相手の場にマナフィがいることを確認してからプライムキャッチャーやボスの指令でベンチのポケモンを呼び出す動きを試みるか、キャンセルコロンでマナフィの特性を無効化してからベンチを狙うか——この判断が実戦では繰り返し求められる。
失敗談と成功体験から得た知識
ドロー不足で動けなくなった試合
ジムバトルでサーナイトexデッキと対戦したとき、相手が頂への雪道を張りながらナンジャモで手札を削ってきた。テツノイバラexで特性を封じようとしたが、雪道でこちらのexポケモンの特性も止まってしまう。手札は3枚になり、アカマツもエネルギーも引けない状態でターンを2回渡した。その間に相手のサーナイトexが完成して、あとはワンサイドゲームで終わった。
未来バレットはどこかで「引けるかどうか」に依存する場面が必ず来る。その瞬間に何も引けないとデッキが完全に止まる。この経験から、ともだちてちょうで博士の研究を山に戻しながら濃度を維持する動きの重要性を実感した。
テツノブジンexで逆転した試合
逆に手応えがあった試合もある。ロストバレットと対面したとき、ウッウやヤミラミで盤面が荒らされながらも、相手のHP低いポケモンへのごっつぁんプリファイが2回決まってサイドを4枚取った。残り2枚はテツノブジンexのレーザーブレードでかがやくゲッコウガとキュワワーを処理して取り切った。未来バレットはアタッカーを使い分けることで、相手の動きに対応できる柔軟さがある。
これが古代バレットとの最大の違いで、トドロクツキ一本で戦う古代バレットと違い、未来バレットは「今何で殴るべきか」を毎ターン判断する必要がある。この判断精度を上げることがこのデッキを使いこなすための核心だと感じている。
未来バレット側の対処手段
相性の悪いカードが複数あるなかでも、このデッキには対処策が組み込まれている。
苦手なデッキにはテツノイバラexの小型バージョンで一撃狙いという対処がある。また相手が2進化デッキなら序盤はミライドンとテツノカイナexで対応して、進化前のポケモンを倒してサイドを取り、中盤はジャッジマンとテツノツツミで妨害する。この攻撃をかいくぐってきた大型ポケモンはテツノイバラexで一撃KOを狙う。
テツノイバラexを採用することで相手のルール持ちポケモンの特性を止めることができる。
アタッカーの多様性と特性ロックを組み合わせながら、相手のデッキに応じた最適な戦い方を選択できるかどうか。それが未来バレットを使いこなす上で一番問われる技術だと50歳の今も感じている。相性の悪いカードを把握しておくことで、試合前の段階から「この対面で誰を使うべきか」という判断が先にできる。それだけで、实際の試合でのプレイングの精度が明確に上がっていく。

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