いちげきルギアVSTARのデッキを対戦相手として初めて経験したとき、「これを崩すのに何が必要か」という問いが自然と浮かんだ。2ターン目にアッセンブルスターが決まったら、アーケオスが2体並んで、そこからプライマルターボでいちげきエネルギーがジュラルドンVMAXに積み上がっていく。ジュラルドンVMAXのまてんろうで特殊エネルギー持ちの攻撃を受けなくなり、280ダメージのいちげきクラッシュが炸裂する。この流れを止める方法を真剣に考えたのが、いちげきルギアVSTARという存在を深く理解するきっかけになった。
いちげきルギアVSTARデッキの弱点を生む構造
いちげきギミックの良さは非VながらポケモンVとトレード出来る強さ、いちげきエネルギーとインパクトエネルギーという特有のエネルギーの強さがある。アーケオスはヘルガーよりいちげきのポケモンたちと相性が良いのが魅力だ。いちげきポケモンとして有名なジュラルドンVMAXとスピアーは採用されることが多く、どちらも特殊エネルギー主体のデッキ相手に非常に強力なスペックを持っている。
ルギアVSTARデッキの対策は3点に集約される。エネを枯渇させる、ルギアVSTARを非エクで倒す、アッセンブルスターを使わせない——この3つだ。
この3点がそのまま相性の悪いカードの骨格になる。アッセンブルスターを封じるカード、いちげきエネルギーなどの特殊エネルギーを除去するカード、ジュラルドンVMAXのまてんろうを突破するカード——この3軸から整理していく。
頂への雪道——アッセンブルスターとまてんろうを同時に止める
ルギア側の2枚看板が両方機能しなくなる
頂への雪道があるとルギアVSTARの特性も使えないので張り替えするために採用が必要だ。
アッセンブルスターはVSTARパワーのため特性ではないという誤解をしている人もいるが、VSTARパワーのタイプは特性だ。頂への雪道が貼られるとアッセンブルスターは使えなくなる。さらにジュラルドンVMAXのまてんろうもルール持ちポケモンの特性なので同時に止まる。このデッキを支える2枚の柱がどちらも頂への雪道1枚で消える構造になっている。
意外とジャッジマンのようなシンプルな手札干渉が一番効果的かもしれない。ジャッジマンなどを連打できるところが強さになる。ルギアVSTARデッキは安定的にエネルギー加速がしやすいのでアタッカーさえベンチにおければ試合が続きやすいが、頂への雪道と手札干渉の組み合わせで動きを封じるのが有効だ。
頂への雪道とジャッジマンの複合が決まると、アッセンブルスターが止まった状態で手札が2〜3枚になり、アーケオスをトラッシュに送る手段を引けないまま番が返ってくる。いちげきルギア側はバケッチャでスタジアムをトラッシュできる対処手段を持っているが、バケッチャを引けなければ雪道が機能し続ける。
自分がいちげきルギアと当たったジムバトルで、先攻を取って2ターン目に頂への雪道を貼り、ジャッジマンを重ねたことがある。相手がバケッチャをそのターン引けず、アッセンブルスターが使えないまま3ターン目を迎えた。アーケオスが準備できないままルギアVが場に立っているだけで、そのターンに攻撃してサイドを2枚先取できた。たった1枚のスタジアムと1枚のサポートで試合の流れが変わった瞬間だった。
シンオウ神殿——いちげきエネルギーとインパクトエネルギーを無力化する
特殊エネルギーの効果をなくしてジュラルドンVMAXの火力を削ぐ
シンオウ神殿やピーニャといった特殊エネのメタカードを使ってルギアVSTAR対策を組み込む構成がある。
シンオウ神殿はお互いの特殊エネルギーの効果をなくし、エネルギー1個ぶんとしてはたらくようにする。いちげきエネルギーはついたポケモンの打点を20上げる効果と、いちげきポケモンのワザを使えるようにする効果を持つ。シンオウ神殿でいちげきエネルギーの効果が消えると、打点上昇がなくなるだけでなくいちげきポケモンのワザそのものが使えなくなるケースも生まれる。
インパクトエネルギーは場にいる間ダメカンを乗せる効果を持つが、この効果もシンオウ神殿で消える。ジェットエネルギーの入れ替え効果も無効化されるため、ルギアVSTARの機動力まで失われる。
ただし、シンオウ神殿を1枚入れただけでは全く対策にならないのがルギアVSTARの恐ろしい所で、使うタイミングには十分気をつける必要がある。ジェットエネルギーを無効化してドローされるのを防いだり、ここぞというタイミングで合わせるものだ。
いちげきルギア側はロストスイーパーやあくの塔でスタジアムを張り替えてくる対処手段がある。シンオウ神殿1枚を貼っただけで安心するのではなく、その直後に攻撃できる準備を整えておくことが対策側の必須条件だ。
改造ハンマーとうねりの扇——特殊エネルギーをピンポイントで除去する
対ルギアに関しては、完全にクラッシュハンマーの上位互換となるこのカードが有効だ。ルギアのメインドローソースはギフトエネルギーだが、それを割ってドローを潰したり、チラチーノに貯めているエネルギーを壊して打点アップを避けたり、なんてことができる。
レガシーエネルギーがついたテツノカイナexをきれいに返す手段がなく、順当に回られるとサイドレース的に厳しい試合を強いられることになる。レガシーエネルギーは最優先でトラッシュしたい1枚だ。
改造ハンマーは特殊エネルギーを1枚選んでトラッシュできる。いちげきルギアにとってレガシーエネルギーはサイドを1枚減らす効果を持つ重要カードで、これを剥がされるとサイドレースの計算が崩れる。ギフトエネルギーを剥がされるとポケモンがきぜつしてもドローできなくなり、手札の補充手段が一つ消える。
どのエネルギーを優先して剥がすかという判断が対策側に問われる。盤面のポケモンについているエネルギーを読みながら、最もダメージを与えられる1枚を選ぶ技術は実戦を通じてしか磨けない。
テツノイバラex——特性封じがアッセンブルスターを直接止める
テツノイバラexでルギアVSTARを倒す、また相手の動きが止まっている間に攻めるのが有効だ。ハバタクカミで特性を無効にして突破してくることもあるので過信は禁物だ。
テツノイバラexの「イニシャライズ」はバトル場にいる間ルール持ちポケモンの特性を封じる。アッセンブルスターもまてんろうも両方止まる。さらにテツノイバラexは雷タイプで、ルギアVSTARが無色タイプという弱点の関係でタイプ的には不利はないが、雷弱点を持つアーケオスやチラチーノは影響を受ける場面がある。
いちげきルギア側の対処としてハバタクカミでイニシャライズを無効化する動きがある。ハバタクカミはバトル場のポケモンの特性を封じる特性を持ち、テツノイバラexをバトル場から一時的に無力化できる。対策側がテツノイバラexを採用するなら、この対処への準備も考えておく必要がある。
特性を持たないアタッカー——まてんろうを貫通する存在
ジュラルドンVMAXのまてんろうは「特殊エネルギーをつけたポケモンからのダメージを受けない」特性だ。逆に言えば、特殊エネルギーを使わないポケモン——つまり基本エネルギーのみで動くアタッカー——はまてんろうを貫通できる。
ジュラルドンVMAXとスピアーはどちらも特殊エネルギー主体のデッキ相手に非常に強力なスペックを持っているが、基本エネルギーだけで攻撃するデッキには通じない。
基本エネルギーのみで高ダメージを出せるアタッカーを採用したデッキが増えてくると、まてんろうの守りが機能しなくなる。白馬バドレックスVMAXのダイランスはまさにそのパターンで、水エネルギーのみを使うワザがジュラルドンVMAXに普通にダメージを通してくる。同様に、基本エネルギーのみで動く非ルールポケモンのアタッカーも突破手段になる。
リバーサルエネルギー——サイドが負けている状況でワイルドボルトが起動する
サイドが負けているのでリバーサルエネルギーが発動し、手張り一回でワザ「ワイルドボルト」が使える。ダメージも180と、ルギアを弱点込みで軽々倒せるラインだ。
ルギアVSTARは無色タイプで雷弱点を持つ。リバーサルエネルギーを使った雷タイプのポケモンがワイルドボルトを放つと、弱点倍率2倍でルギアVSTARへの致死ラインに届く。しかもリバーサルエネルギーはサイドが負けているときにしか効果が発動しないため、いちげきルギアが先にサイドを取り始めた直後にこれが飛んでくる。追いかけている側の切り返しとして機能する点が、対いちげきルギアでの意味を持つ。
アーケオスへのダメカン蓄積——プライマルターボのエンジンを壊す
アッセンブルスターで展開したアーケオスが倒されると、プライマルターボによるエネルギー加速が消える。アーケオスは1進化ポケモンとはいえHPが130で、一定の耐久がある。しかしドラパルトexのファントムダイブやヤミラミのロストマインでダメカンを分散させてきぜつ圏内に入れてから、ボスの指令でバトル場に引き出す動きがエンジン破壊として機能する。
デッキからアーケオスを落とす手段が博士の研究とハイパーボールの8枚しかないため、ネオラントVからアクセスできるバーネット博士を採用した構成がある。
アーケオスが全滅するとプライマルターボが使えなくなり、いちげきエネルギーをジュラルドンVMAXに積み上げる手段が消える。この状態のいちげきルギアは大型のアタッカーが動けなくなり、非ルールポケモンだけで戦う形になる。アーケオスを守ることがいちげきルギア側の最重要課題で、それを壊しにいくプランが対策側の核心になる。
非エクでルギアVSTARを倒す——サイドの非対称交換を作る
ルギアVSTARを非エクで倒すことが有効な対策だ。
ルギアVSTARを倒されるとサイドを2枚取られる。それを非ルールポケモンで行うと、相手はサイド1枚しか取れない。この非対称なサイド交換でリードを作り続けることが、純粋な殴り合いとは別のアプローチになる。
イベルタルのワザ「いちげきのつばさ」は非ルールポケモンのワザで悪タイプのため、ルギアVSTARには弱点は関係ないが、倒されてもサイド1枚で済む。いちげきルギア側のアタッカーに非ルールポケモンが多い点を逆手に取って、こちらも非ルールポケモンを使いまわす形で消耗させる戦術は長期戦になるほど機能する。
実戦での失敗談と成功体験
改造ハンマーのタイミングを外して負けた試合
シティリーグの予選でルギアデッキと当たり、改造ハンマーを手に持っていた。ギフトエネルギーを狙うべきかレガシーエネルギーを狙うべきか迷って、その番はまず攻撃を優先した。次のターンにレガシーエネルギーを剥がそうとしたが、相手がジェットエネルギーでルギアを逃がしてきた。タイミングを逃したことで、レガシーエネルギー込みのサイドレースが続いて逆転できなかった。改造ハンマーは「使えるなら早く使う」というより「いつ使うかで意味が変わる」カードで、そのタイミングの判断を誤ったのが敗因だった。
頂への雪道+ジャッジマンで完封した試合
手応えがあった試合もある。先攻を取れたとき、デッキに頂への雪道を3枚積んでいた。2ターン目にスタジアムを貼ってジャッジマンを打った。相手の手札が3枚になり、バケッチャもロストスイーパーも引けなかった。3ターン目に再度同じ動きを重ねて、アッセンブルスターが使えないまま相手が4ターン目を迎えた。アーケオスが1枚しかトラッシュに落ちていない状態で、プライマルターボが1枚しか使えない。その間に盤面を整えてサイドを先取し、後半は追いつかれずに勝てた。
複合的な妨害が早いターンに決まったとき、いちげきルギアの動き出しは想像以上に遅くなる。この経験から「雪道は先に貼るほど価値が高い」という原則が身に染みた。
いちげきルギア側が持つ対処手段
頂への雪道を採用しているのと、相手の頂への雪道でルギアVSTARの特性が使えないのでバケッチャを採用した。ハイパーボールやキャプチャーアロマでも持ってこられる疑似的なスタジアムとして優秀だ。
ジュラルドンVMAX採用の場合は基本的にルギアVSTARとジュラルドンVMAXの場面を狙って行く。
バケッチャで雪道を剥がす、あくの塔で連鎖的にスタジアムを管理する、ハバタクカミでテツノイバラexを一時的に無力化する——これらを組み合わせながら、アッセンブルスターを2ターン目に使えるかどうかがその後の試合全体を左右する。
「2ターン目にアッセンブルスターが決まればパワーがとてつもなく高いデッキになる」という表現がある通り、このデッキはアッセンブルスターを中心として全てが設計されている。使う側としては2ターン目の成否、戦う側としては2ターン目を妨害できるかどうか——このシンプルな対決が、いちげきルギアという対面の本質だと長年ポケカをやってきた経験から感じている。

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