ミュウツーV-UNIONをデッキに組み込んだとき、最初に感じるのは「このカード、出せたら本当に強いな」という実感だ。HP340、特性フォトンバリアでルール持ちポケモンのワザを受けない、サイコプロージョンで最大320ダメージ——出せれば、本当に手が付けられない。問題はその「出すまで」の道のりで、4枚のかけらをトラッシュに揃えるという特殊な手順と、一度しか使えないという制約が、このカードの強さと弱さを同時に規定している。
ミュウツーV-UNIONの強みと弱点を生む構造
ミュウツーV-UNIONは特性「フォトンバリア」でルールを持つポケモンのワザのダメージを受けない。ワザ「ちょうさいせい」でトラッシュの超エネルギーを3枚つけ、「サイコプロージョン」は自分のポケモン全員のダメカンを取り除いて、その枚数×20ダメージを与える最大320の大ワザだ。「ファイナルバーン」は手札をすべてトラッシュして300ダメージを叩き込む。
V-UNIONは、たねポケモンでも進化ポケモンでもない4枚1組の特殊なポケモンで、4枚のかけらをすべてトラッシュに揃えてから、自分の番に1回だけ場に出せる。
弱点の構造は4軸になる。4枚を揃える前の準備段階を攻める、フォトンバリアが機能しない非ルールポケモンで攻撃する、悪弱点を突く、1回しか使えないという制約を利用してきぜつ後にリソース切れを誘う——この4点を突くカードが相性の悪いカードになる。
サイドへの落ち——4枚中1枚でも落ちると永遠に出せない
V-UNION固有の最大リスク
これはカードの話ではなく、V-UNIONという仕組み自体の根本的な弱点だ。4枚のかけらのうちどれか1枚でもサイドカードに落ちると、対戦中にミュウツーV-UNIONを場に出せなくなる。
ミュウツーV-UNIONを運用する上で大きな問題になる「サイド落ち」を解決する手段が必要で、ヒスイのヘビーボールの採用が推奨される。
4枚採用という制約上、60枚のデッキに対して6枚のサイドカードのどこかに入り込む確率は無視できない。対戦が始まったとき、まず最初の確認はサイドのチェックだ。落ちていれば、そのゲームでミュウツーV-UNIONを軸にしたプランは使えない。これを見落として試合を進め、終盤に「あれ、どこにいった?」と気づいた瞬間の絶望感は、使っていれば必ず一度は味わう。
相手からすると、この制約を利用してゲーム序盤にプレッシャーをかけ続け「サイドに落ちていてほしい」という祈りに近い期待を持ちながら戦うことがある。ミュウツーV-UNION対面で序盤に相手が積極的に攻撃してこない場合、サイドの状況を読んでいる可能性がある。
フォトンバリアが機能しない——非ルールポケモンのワザは普通に通る
ミルタンクとワータマが象徴するメタの核心
言わずと知れた妨害ポケモン、ミルタンクは非エクか相手ポケモンにかかっている効果を計算しない系の技か、特性を消すかでないと突破できない。ミュウツーV-UNIONのフォトンバリアは「ルール持ちポケモンのワザのダメージを受けない」ため、非エクのワザは普通に通る。
フォトンバリアが防ぐのはルール持ちポケモンのワザのダメージだけだ。ミルタンクのミラクルボディは非ルールポケモンなので対象外。HP120のミルタンクから受けるダメージはフォトンバリアを貫通する。しかも「ミラクルボディ」でex・Vからのダメージを防ぐため、こちらのサブアタッカーで倒しに行くと今度はそのサブアタッカーが攻撃を受け続ける。
このデッキでは非エクは中打点なことが多いのでミュウツーV-UNIONで受ければよく、そこまで意識しなくてもよいのでミルタンクの役割がはっきりとしていて使いやすい。
サイコプロージョンはルール持ちポケモンでも非ルールポケモンでも攻撃できるため、ミルタンクへの返し手としてはV-UNION自身が使えるが、ダメカンを16個乗せてから与えるというワザの性質上、大ダメージを出すには前のターンにダメカンが必要になる。即座にミルタンクをワンパンできるかどうかは状況次第だ。
リキキリンex——テイルアーマーでたねexのダメージを防ぐ
リキキリンexの特性「テイルアーマー」は、たねポケモンのポケモンexからワザのダメージを受けない効果を持つ。HP300という高い耐久力と合わさると、ミュウツーV-UNIONには返す手段がほぼなくなる。
ミュウツーV-UNIONはV-UNIONポケモンというカテゴリで、exポケモンではない。したがってリキキリンexのテイルアーマーの対象外になる場合もあるが、相手のデッキにリキキリンexが採用されていると、サブアタッカーがexポケモンの場合にテイルアーマーが機能する。
V-UNIONデッキは複数の超タイプのexやVポケモンを組み合わせて使うことが多く、それらのアタッカーがリキキリンexに対して攻撃できなくなると、処理手段が限られる。ミュウツーV-UNION自身での対処が中心になるが、そのためにエネルギーと番を消費することになる。
悪タイプのアタッカー——超タイプの根本的な弱点
超タイプのポケモンは悪タイプに弱点を持つ。ミュウツーV-UNIONも例外ではなく、HP340という高耐久があっても弱点倍率2倍の前では相対的に耐久が下がる。
特殊エネルギーを破壊しつくす悪魔のポケモンとの対面では、特殊エネルギーを使うデッキは多いのでうまく差し込める。ダークテラスタルリザードンexのような悪タイプのポケモンは超タイプへの弱点を突ける。
ガラルファイヤーVのオーラバーン、悪テラスタルリザードンexのバーニングダーク——これらが弱点倍率で飛んでくると、HP340のミュウツーV-UNIONが想定外の早さで消えることがある。ファイナルバーンで300ダメージを叩き込んでも、次のターンに弱点で倒されてしまうとリソースの差し引きが合わなくなる。
V-UNIONが倒されても取られるサイドは「3枚以上ではなく少ない枚数になることが多い」という独特のルールがあるが、悪タイプに弱点を突かれ続けると消費するエネルギーと得るサイドの計算が崩れてくる。
手札干渉——4枚を揃える前に詰まらせる
4枚のかけらをトラッシュに揃えるためには、ハイパーボールやクイックボールでサーチしながら順次トラッシュに送る手順が必要になる。この準備中に手札干渉が飛んでくると、必要なカードを引くターンが増えてミュウツーV-UNIONの登場が遅れる。
かがやくゲッコウガのげっこうしゅりけんやマフォクシーVのマジカルファイヤーなどでラルトスやキルリアが2体いっきに取られてしまうと、自由に動けなくなってしまう。
サーナイトexとミュウツーV-UNIONを組み合わせた構成では、キルリアのリファインというドロー手段に依存していることが多い。ここを序盤に潰されながら手札干渉を打たれると、4枚を揃えるどころかサーナイトexすら完成しないまま試合が進んでしまう。
ナンジャモやアンフェアスタンプの連打は、4枚を揃えようとしている手を毎ターン崩す効果がある。特に先攻2〜3ターン目に相手がすでに攻撃できる状態でジャッジマンを使ってくるパターンは、ミュウツーV-UNIONデッキ側が最も嫌う展開だ。
1ゲーム1回の制約——きぜつ後のリソース切れを誘う
V-UNIONはゲームに1回しか場に出せない。きぜつしてもう一度出そうとしても、同じゲームでは2回目の展開はできない。
シマボシとともだちてちょうを組み合わせることでデッキ切れを防げる。シマボシ×2とともだちてちょう×1など3枚を山に戻せれば、デッキ切れのリスクを管理できる。
一度きぜつすれば二度と出せない。これがV-UNIONの最も大きな制約で、ミュウツーV-UNIONが倒された後にどう戦うかをあらかじめ設計しておく必要がある。相手側からすると「ミュウツーV-UNIONさえ倒してしまえば、後は普通のデッキと戦うだけ」という状況を作れる。
ファイナルバーンは手札をすべてトラッシュして300ダメージを出すため、使った後は手札が0になる。次のターンにドロー手段がなければ何もできない。このタイミングに合わせて手札干渉を打ったり、エネルギーを剥がしたりすることで、ミュウツーV-UNION自体は生き残っていてもワザが使えない状態を作り出せる。
特殊エネルギーの除去——ちょうさいせいの回復サイクルを断ち切る
ちょうさいせいはトラッシュから超エネルギーを3枚つける効果で、エネルギー管理の中核だ。改造ハンマーでついている超エネルギーを除去されると、次のターンの攻撃準備に余分な番が必要になる。
特殊エネルギーをトラッシュすることを重点的に考えたハンデスカードはバンバン使うことは難しいが、相手がサーチしていた次のターンなどには決め打ちができ非常に厄介だ。
ダブルターボエネルギーなどの特殊エネルギーを採用している場合、シンオウ神殿でエネルギー効果を消したり改造ハンマーで除去したりすると、エネルギーを供給しているちょうさいせいのサイクルが崩れる。ファイナルバーンの4エネ要求も、エネルギーを剥がされ続けると満たせないままターンが過ぎる。
実戦での失敗談と成功体験
4枚目がサイドに落ちていた試合
シティリーグの予選でミュウツーV-UNION採用のデッキを使ったとき、試合開始直後にヒスイのヘビーボールでサイドを確認したら4枚中の1枚が落ちていた。その瞬間からゲームプランが崩れた。サーナイトexとこくばバドレックスVMAXを軸に戦ったが、ミュウツーV-UNIONという切り札がない分、相手に心理的なプレッシャーを与えられなかった。終盤に「あのカードがあれば」という場面が2回あって、逆転できずに負けた。
あの試合以降、サイドの確認を必ず1ターン目に行う習慣は完全に定着した。落ちていたときのプランBをあらかじめ考えておくことも、このデッキを使う上での必須の準備だと学んだ。
ファイナルバーンで相手のエースを消してから勝利した試合
うまくいった試合もある。ルギアVSTARデッキとの対面で、ミュウツーV-UNIONが出た瞬間にフォトンバリアでルギアの攻撃が全部弾かれた。相手はアーケオスを使って非ルールポケモンで攻撃しようとしたが、手持ちのアタッカーがルール持ちばかりで攻撃手段が限られていた。ちょうさいせいでエネルギーを補充しながら2〜3ターン耐え続け、相手が手詰まりになったところでファイナルバーン300ダメージが炸裂した。
フォトンバリアが完全に機能する対面の快感は格別で、「出せたら本当に強い」という実感を一番強く味わえた試合だった。
ミュウツーV-UNION側が持つ対処手段
シマボシとともだちてちょうの組み合わせでデッキ切れを防ぎながら、ピン刺しのサポートが多い構成でも回収できる。4枚のかけらを素早くトラッシュに送るためにハイパーボールとクイックボールを最大枚数採用するのが基本だ。
ベンチへのダメージを守れるマナフィの採用は必須で、デッキによっては2枚入れたり、すごいつりざおの採用で気絶されても回収できるようにしておくのがおすすめだ。
悪弱点への対処はノコッチの採用、フォトンバリアが効かない非ルールポケモンへの対処はミルタンクを採用したメタ構成で対応する、4枚そろえる速度を上げるためにリファインのキルリアを採用する——これらを組み合わせた構築が実戦的な解答だ。相性の悪いカードを把握しているからこそ、そのデッキへの対策を60枚の中に自然に組み込めるようになる。それがミュウツーV-UNIONというポケカ史上最も個性的なカードを使いこなすための、最初の準備だと感じている。

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